イギリス人にも、思わず子供時代を思い出す懐かしいお菓子がたくさんあります。今回は、時代を超えて愛され続ける伝統的な「英国版駄菓子」をご紹介します。スーパーで気軽に買えるお菓子ばかりなので、ばらまき土産にもぴったり。イギリスの日常の一部でもある駄菓子の世界を楽しんでくださいね。
イギリスには、今でも昔ながらの伝統的な駄菓子を売る専門店(sweet shop)があります。なかには店舗をどんどん増やしているsweet shopや、「レトロスイーツ」と称して懐かしのお菓子を専門で販売するオンラインショップも多数あり、子供だけでなく大人の間でも根強い人気を誇っています。
スーパーで売られている代表的な駄菓子のひとつは、キャドバリーのカエル型のチョコレートFreddo(フレッド)。英国のインフレと生活費の上昇を追う非公式の指数として「Fredd Index(フレッドインデックス)」なんていう言葉も存在するほど、発売当時から値段が上がり続けている小さなチョコレートバーです。
ちなみに、1973年にイギリスで発売された当時は2ペンスでしたが、先日近所のスーパーで確認したところ40ペンスにまで上昇していました。
イギリスの伝統的な駄菓子屋さんで売られていたお菓子は、「penny sweets (ペニースイーツ)」と呼ばれています。もともとはペニー(1ペンス)以下で買える安いお菓子という意味で、個包装されていないお菓子を好みで組み合わせて買うのが昔ながらのスタイルです。
画像の飴は、penny sweetsの定番「Sherbet Lemons(シャーベットレモン)」と「Rhubarb & Custard(ルバーブカスタード)」。今ではスーパーでもオリジナル商品として売られています。
最近ではまとめて袋詰めされたものが各スーパーから販売されていますが、好きなお菓子を袋に詰める昔ながらお菓子コーナーも見かけます。
ちなみに、イギリス英語でお菓子を意味する単語は「sweets」「treats」「munchies」などいくつかありますが、もっとも広く使われているのは「sweets」でしょう。sweetsには、日本の「スイーツ」のようにデザートを指すときと、アメリカ英語の「candy」のように甘いお菓子全般を指すときがあります。
イギリスのスーパーで販売している、定番の駄菓子をいくつかご紹介します。イギリス人が「これを食べて育った!」と懐かしい気持ちになり、かつ現役の子供たちにも人気のアイテムを選んでみました。
1954年から製造されているフルーツ味のラムネ。ハートの真ん中に「LOVE YOU」「CUDDLE ME」「TRUE LOVE」など、ポジティブなメッセージが刻まれているのが特徴です。フィルムの両端をねじった簡素なパッケージでレトロな雰囲気満載ですが、「Email me」などメッセージの内容は少しずつアップデートされている様子。メッセージを見ているだけでも、ほっこりした気持ちになれますよ。
新生児の形をしたグミ、Bassett’sのJelly Babies(ジェリーベイビー)は1960年代を代表するお菓子。周りに粉がまぶされていて、イギリスの一般的なグミより柔らかい食感が病みつきになります。
1864年にランカシャーのお菓子屋さんで働いていたオーストラリア人の職人が作ったのがはじまりといわれており、1918年にBassett’sが「Peace Babies(ピースベイビー)」の名前で製造開始。第二次世界大戦中に製造が中止されたものの、1953年に「Jelly Babies」として発売を開始したという、赤ちゃんにしては長い歴史を持つお菓子です。
Rainbow Drops(レインボードロップ)は、コーンとお米からできたパフを砂糖でコーティングしたお菓子です。SwizzelsのRainbow Dropsが発売されたのは1930年代で、当初はスコップですくって1袋1ペンスで売られていたとのこと。甘さ強めのフルーツ味ですが、とにかく小さくて噛むとすぐ潰れるので、ついつい食べ続けてしまう不思議なお菓子です。
Iced gems(アイスドジェム)は、一口サイズのカリカリビスケットにカラフルなアイシングを絞り出した、その名の通り宝石のようなお菓子。シンガポールにも同じお菓子がありますが、実はイギリス発祥です。1850年代にイギリス・レディングのHuntley and Palmerという老舗のビスケット専門店が土台のビスケットを作ったのがはじまり。アイシングが乗るようになったのは1910年代からとのことです。
イギリスのスーパーでは、McVitie'sのIced gemsをよく見かけます。筆者の周りには、「タッパウェアに入れて、学校帰りのおやつに食べていたよ」というイギリス人も少なくありません。アイシングたっぷりの割には甘さは控えめで、日本人が食べても懐かしい味がしますよ。
HARIBO(ハリボー)は、ドイツ生まれのグミ。イギリスといわず、ヨーロッパで大人気を誇る商品です。日本のグミと比べると硬めで、かなり噛みごたえがあるのが特徴。HARIBOが嫌いな子供はいないといっても過言ではないほど、子供のおやつの定番です。
クマの形のグミ以外にも、目玉焼きやハート、イチゴなどさまざまな形やフレーバーを展開しています。スーパーのお菓子売り場を見ると、HARIBOで棚が埋め尽くされそうな勢いです。
Flying Saucerは、ライスペーパーでできたUFOの中に、シュワシュワした甘酸っぱい粉(イギリス英語では「シャーベット」と呼びます)が入ったお菓子。子供たちの間では中身のシャーベットから食べる派と、一気に食べる派に分かれるのだとか。イギリスのお菓子は甘いものが多いので、爽やかな味わいのFlying Saucerが支持される気持ちもわかる気がします。
昔ながらのお菓子屋さんにも売られている伝統的な駄菓子ですが、ほとんどのスーパーでもオリジナルのFlying Saucerを販売しています。
Penguinは、1932年にスコットランドのグラスゴーで生まれたチョコレートバー。ビスケットにミルクチョコレートが練り込んであり、チョコレートなのに甘すぎず、重すぎずのサクサクした食感が絶妙です。
ちなみに、個包装のラッピングにはジョークが書かれています。例えば「質問:ペンギンの好きな映画は?答え:アナ雪(=英題「フローズン」)など、ちょっと寒いペンギンジョークに癒されます。
Drumstick lolliesは、1957年に発売したSwizzelsの定番のひとつ。ラズベリーミルク味のソフトキャンディーに手持ち用のスティックが刺さったものです。食べ終わる頃には手がベタベタになりますが、子供たちからの人気は絶大。パーティー用のお菓子の詰め合わせには必ずといっていいほど入っています。
棒付きのDrumstick lolliesがオリジナルバージョンですが、ソフトキャンディー部分だけが袋に入ったバージョンも販売されています。
子供に人気の駄菓子のひとつに、ベルト・レース・ケーブル・ペンシルなどと呼ばれる細長い形状のグミがあります。シンプルなフルーツ味やシュワシュワした粉(シャーベット)をまぶしたバージョンなど、フレーバーもさまざま。まさに駄菓子というタイプのお菓子ですが、各スーパーからオリジナル商品が出ていたり、ベルト・レース・ケーブル・ペンシル状のグミばかりを売っている専門店(sweet shop)もあり、イギリスの子供たちを夢中にさせています。
ロンドンに来たら観光のついでにぜひ立ち寄ってほしい、おすすめの駄菓子屋さんをご紹介します。
コヴェントガーデンからすぐのところにある、SugarSin。パステルカラーの外観が目を惹く、とにかくキュートな駄菓子屋さんです。M(£10)・L(£18)・XL(£35)の3つの大きさの容器を選んで好きなお菓子を詰め放題の「Pick ‘n’ Mix」のほかにも、かわいいパッケージの伝統的な駄菓子ががたくさん並んでいます。
所在地:
1 Russell St, London WC2B 5JD
公式サイト:
https://sugarsin.co.uk/
ロンドンではありませんが…
ヨークシャーにある、ギネスブック認定の世界で一番古いスイートショップ「The Oldest Sweet Shop In The World」もおすすめです。創業は1827年、建物が建てられたのはさらに遡って1661年。200年前のイギリスにタイムスリップしたかのようなレトロなお菓子屋さんに興味のある方は、ぜひ足を伸ばしてくださいね。
所在地:
39 High Street, Pateley Bridge, North Yorkshire, HG3 5JZ
公式サイト:
https://oldestsweetshop.co.uk/
イギリスで根強い人気を誇り続ける英国版の駄菓子をご紹介しました。スーパーで手軽に買えるものばかりなので、定番のお土産に飽きた方は次回のイギリス土産の候補に入れてみてはいかがでしょうか?イギリス人が子供時代に食べた懐かしの味をぜひ試してみてくださいね。
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