2026/01/06

【没後50年】“ミステリーの女王”アガサ・クリスティー、数々の傑作を生んだ奇跡の人生を辿る<原書房さまインタビュー>

“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーの没後50年にあたる2026年1月、ミステリーチャンネルでは『アガサ・クリスティーのデビューから晩年を辿る傑作12選』をドラマでお届け。年代ごとに時代を彩った代表作を映像化したドラマを一挙放送いたします。そこで、今回の「特集 もっと楽しむミステリー」コラムでは、クリスティーの人生を紐解きながら、よりクリスティーの世界を楽しむため、「アガサ・クリスティー とらえどころのないミステリの女王」を刊行されている原書房・編集者の善元さまにインタビューを実施しました!

 Q  :ミステリーチャンネル編集部
(善):原書房 善元さま

波乱万丈な生涯と創作の原点

 Q. 今年はクリスティー没後50年にあたりますが、クリスティーはヴィクトリア時代末期の1890年に生まれ、二度の世界大戦を経験し、波乱万丈な人生を送られたと思います。
まずは、アガサ・クリスティーの来歴について簡単にご説明いただけますか?

(善)クリスティーは、アメリカとイギリスを行き来する実業家の父親と、ドイツ系軍人一家出身の母親のもとに生まれました。典型的な英国女性と思われがちですが、その出自からして国際的な視点を持っていたといえるでしょう。何不自由ない少女時代を過ごし、24歳で結婚、そして第一次世界大戦に遭遇します。その時期にクリスティーは従軍看護師として働き、毒物を含む薬の知識を得ます。これがミステリを執筆するためのアイディアとなりました。30歳を過ぎてから『スタイルズ荘の怪事件』でデビュー。本書はイギリスとアメリカで刊行され、最初から世界規模の作家となります。
その後はみなさんご存じのとおり、大人気作品を連発していきます。トリックが議論の的となった『アクロイド殺し』、ミス・マープルの登場する『牧師館の殺人』、のちに映像作品となっても愛される『オリエント急行の殺人』などなど。
執筆に追われるなかでむかえた第二次世界大戦では、病院や簡易食堂で働きました。そして、自身の人生を色濃く反映させたメアリ・ウェストマコット名義でも名作を生みだします。また戯曲も数多く執筆し、『ねずみとり』は世界で最も上演回数の多い戯曲として、いまなお記録を伸ばしています。晩年にはクリスティー作品は、小説としてだけでなく、映画やドラマといった映像作品となって注目を集めました。

名探偵ポワロ 「オリエント急行の殺人」 © ITV PLC

時代と人生が色濃く反映された作品

 Q. 今回のミステリーチャンネルの特別編成では、クリスティーが出版した年代順にドラマ化作品を放送いたします。当時の時代背景や作家の人生観・感情が作品にも反映されていると思いますが、善元さんが一番そういったものが反映されていると感じられる作品は何になりますか?

(善)やはり、『スタイルズ荘の怪事件』でしょうか。舞台は第一次世界大戦のイギリス。ヘイスティングスは傷病兵として戦地から帰ってきたところですし、ポワロはベルギーからの亡命者です。このような境遇の人々が出会うことは、当時のイギリスで実際にあったことでしょう。
また、スタイルズ荘はクリスティーの生まれ育った家と似ているところもあります。家族、友人、使用人、庭でのお茶に、調えられたディナー。しかし戦争の影響は否応なく存在し、誰も彼もが、見た目とは違う闇を抱えています。このことは、のちのクリスティー作品にも繰り返し登場していると思います。

名探偵ポワロ 「スタイルズ荘の怪事件」 © ITV PLC

アガサ・クリスティーはこんな人!

 Q. 善元さまからみたアガサ・クリスティーは、ズバリどんな人でしょうか?
また、クリスティー作品の好きなところを教えてください。

(善)普通になりたかった普通ではない人、だと思います。クリスティーは自分の職業を聞かれたときには「無職」、書類に記入するときには「主婦」と書いたそうです。後世の私たちからすると、思わず、なんで!? と言いたくなってしまいます。
クリスティー作品の好きなところは、ごはんがおいしそうなところです。オリエント急行のディナーが食べてみたいなとか、庭でお茶とケーキを食べてみたいなとか。なじみのないメニューもあって小説では想像のつかないこともありますが、映像作品だと実物を見られるのがうれしいですね。人はごはんを食べなければ生きていけないし、それは、殺人者も、被害者も同じです。そんなところに少しだけヒヤッとしつつ、食事のシーンをよく見ています。

ミス・マープル ジョーン・ヒクソン版「バートラムホテルにて」 © 1987 BBC WORLDWIDE

書籍「アガサ・クリスティー  とらえどころのないミステリの女王」の注目ポイント

 Q. ありがとうございました。では最後に、貴社から刊行されている書籍「アガサ・クリスティー  とらえどころのないミステリの女王」についてご紹介をお願いします。まずは、本の概要を教えてください。

(善)この本は、ひとりの女性「アガサ」としてのクリスティーの人生を追ったものです。クララの娘として、アーチボルドの妻として、ロザリンドの母として、マックスの妻として、そして小説家アガサ・クリスティーとして。
現代の私たちはどうしても、クリスティーを「ミステリの女王」として見てしまいますが、ある時代を生き抜いたひとりの人間です。家庭があり、戦乱があり、お金に悩み、世間のイメージに振り回されました。そんな視点を盛り込みつつ、クリスティーについて深く知ることができる一冊となっています。

 Q. 読者の皆様に注目してほしいポイントはなんでしょう?

(善)ポイントとは少しずれてしまうかもしれませんが、ご自身がその年齢だったときのことと重ねて読むと、よりいっそう楽しいかと思います。私はいま、40歳の女性ですが、クリスティーはその前後に、離婚をし、自立を決意し、海外旅行に行き、新たな恋をしました。私にこんな決断はできるだろうか、と考えます。
作家としてすばらしいものを生み出し続けた人ですから、自分とは比べようもないと思います。けれど、人生を切り開き、望むものを手に入れるために行動する強さを感じられると思います。

 Q. 過去にも数々のアガサ・クリスティーに関する研究書や評伝が出版されていますが、それらと異なるところがあれば教えて下さい。

(善)クリスティーが生きた時代も反映された記述になっているところが大きな魅力だと思います。当時、女性がお金のために文章を書くのはどうしても必要な場合か、家族を助けるためのみであるべき、という考えがありました。この考えをクリスティーがはねのけてくれたからこそ、今でも私たちが楽しめる作品が多く残っているのだと思います。
また、各時代の記述には、クリスティー作品と照らし合わせた分析がなされています。登場人物や舞台設定が、どのようにクリスティーの人生と交差していたのかがよくわかり、クリスティーマニアの方にもお楽しみいただけると思います。

ドラマと書籍で味わう、アガサ・クリスティーの奥深さ

アガサ・クリスティーの生涯と作品は、二度の世界大戦という激動の時代、そして一人の女性としての個人的な経験と深く結びついています。原書房様から刊行されている「アガサ・クリスティー  とらえどころのないミステリの女王」は、「ミステリの女王」というイメージを超え、人生を切り開き強く生きた「アガサ」という人間に焦点を当てた一冊です。ミステリーチャンネルで放送される年代順のドラマ化作品と合わせて本書を読めば、クリスティーの創作の背景や、作品に込められた時代の空気、そして彼女自身の感情をより深く感じることができるでしょう。ぜひこの機会に、奥深いクリスティーの世界をドラマと書籍でご堪能ください。

 

ミステリーチャンネル放送情報

●「アガサ・クリスティー没後50年特別編成 デビューから晩年を辿る傑作12選」
前夜 字幕版:1/11(日)夜9:30 一挙放送
命日 二カ国語版・字幕版:1/12(月・祝)朝6:00 一挙放送

1月12日は、ミステリーの女王アガサ・クリスティー没後50年。
そこで、命日前夜である1/11はクリスティーの人生と足跡を紹介した紀行ドキュメンタリー、そして、命日である1/12には、1920年にエルキュール・ポワロを創出する「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー後、20年代、30年代、40年代、50年代、60年代、70年代、それぞれの時代を彩った代表作を映像化したドラマを一挙放送!

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●アガサ・クリスティー没後50年 もっとクリスティーを知ろう!プレゼントキャンペーン
「もっと楽しむミステリー」では、“ミステリーの女王”アガサ・クリスティー没後50年を記念した特別編成放送にあわせ、クリスティーの生涯を紐解く「アガサ・クリスティー とらえどころのないミステリの女王」を3名様にプレゼント!

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世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!

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