一人で華麗に事件を解決するのもカッコイイけれど、コンビで力を合わせて難事件に挑む姿もミステリー好きにはたまりません。なにかと意見がぶつかり合う凸凹タイプに、特技を活かしてお互いを補い合うタイプ、警察コンビのように同じ職業の組み合わせもあればご主人様と執事など、コンビと言えどもさまざまなタイプが存在します。この組み合わせから目が離せない!さまざまな関係性のコンビの活躍が楽しめるおすすめミステリーをご紹介します!
コナン・ドイル(著)延原謙(訳)
出版社(レーベル):新潮文庫
ロンドンにまき起る奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズ。その怜悧な推理と魅力的な個性で近代探偵小説を確立したホームズ物語の第一短編集。赤毛の男が加入した奇妙な組合のからくりを追う「赤髪組合」、乞食を三日やったらやめられない話「唇の捩れた男」など10編を収録。
ミステリー界の最強コンビといっても過言ではないホームズ&ワトスン。無愛想だけど理知的で紳士的。天才だけど人間味に溢れ、皮肉っぽくありながらも正義のために全力を尽くすタイプのホームズと常識人であり語り手を担うワトスンが寄り添うことで、物語は絶妙なバランスと厚みを保っています。ワトスンに大きな信頼を寄せているホームズがワトスンに対して褒め言葉を口にする場面は、ファンにとってたまらない瞬間です。
アンソニー・ホロヴィッツ(著)山田蘭(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか。作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、ドラマ『インジャスティス』の脚本執筆で知りあったホーソーンという元刑事から連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかというのだ。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。
ワトスン役は著者のアンソニー・ホロヴィッツ、探偵役は元刑事のホーソーンというコンビが謎解きの魅力全開の犯人当てミステリーに挑みます。『カササギ殺人事件』に続き、ミステリー小説を書くことをめぐるミステリーの構造が引き継がれつつ、シャーロック・ホームズのオマージュ感が漂いまくる物語が展開。本作ではホーソーンの日常が垣間見れるのもポイント!
ジェフリー・ディーヴァー(著)池田真紀子(訳)
出版社(レーベル):文春文庫
ケネディ国際空港からタクシーに乗った出張帰りの男女が忽然と消えた。やがて生き埋めにされた男が発見されたが、地面に突き出た薬指の肉はすっかり削ぎ落とされ、女物の指輪が光っていた……女はどこに!?
NY市警が捜査協力を要請したのは科学捜査専門家のリンカーン・ライム。彼は肢麻痺でベッドから一歩も動けないけれど、ハンデをも武器に大活躍!200km/h以上で車をブッ飛ばすルーキーのアメリアとは静と動のコンビと言ったところ。リンカーンの推理とアメリアのアクションが冴え渡ります。
ロバート・クレイス(著)高橋恭美子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
ロス市警の刑事スコット・ジェイムズは相棒のステファニーとパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、ステファニーは死亡、スコットも重傷を負った。事件から9ヶ月半。犯人はいまだ捕まらず、スコットの耳に相棒の悲痛な叫びだけがこだまする。事件前の決定通り、警備中隊へ配属となったスコットが出会ったのは、新たな相棒マギー。アフガニスタンに従軍し、そこでスコットと同様大切な相棒を失ったジャーマン・シェパードだった。
心に傷を負ったひとりと一匹の新たな旅立ちを描きます。心に傷を負った一人と一匹が硬い絆で結ばれた相棒となっていく過程に心が揺さぶられます。続く『約束』では、私立探偵のエルヴィス・コールとジョー・パイクのコンビも登場し、二組のコンビの物語が描かれるのも注目ポイント。ぜひ2冊続けて読んでほしいシリーズです。
クライブ・カッスラー×グラハム・ブラウン(著)土屋晃(訳)
出版社(レーベル):扶桑社ミステリー
嵐のスコットランドで休暇を取っていた米国立海中海洋機関(NUMA)のオースチンとザバーラは荒れ狂う波に揉まれるトロール船を発見し、その救援に向かった。危機一髪で乗組員の救助には成功したものの、オースチンは船に不審を抱く。何かがおかしい。船長の挙動には不自然なところがあるし、そもそもなぜ漁船がこんな嵐の夜に――。
歴史を揺るがす財宝争奪戦が始まるNUMAファイルシリーズ第18弾。休暇中のオースティンとザバーラ。トロール船の船員を救助して一件落着と思いきや、今度は古城にて傭兵との銃撃戦を繰り広げます。ミステリーはもちろんアクションも存分に堪能できるのが本シリーズの面白さです。
オリヴィエ・トリュック(著)久山葉子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
石油景気に沸く沿岸の町ハンメルフェスト。町に侵入するトナカイをめぐりトナカイ所有者と住人とのトラブルが絶えない。そんななかトナカイ所有者の青年が、本土から島の餌場にトナカイを移動させている最中に狼湾(ヴアリギスンド)で事故死した。数日後、同じ湾で市長が死体で見つかる。偶然かそれとも?
日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察所属の警察官コンビ、トナカイ警察のクレメットとニーナが事件を追っていきます。この土地ならではの歴史や風土を楽しみながら味わい尽くしたいミステリー。白夜で太陽がなかなか沈まない季節。コンビの活動時間が長くゆったり描かれるのも魅力的!
ネレ・ノイハウス(著)酒寄進一(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
刑事ピアは作家デビューした元夫ヘニングの依頼で、出版社の元文芸部長ハイケの家へ向かった。家に入ると、二階に鎖でつながれた老人がいた。捜査が始まり、老人は彼女が介護していた父親だと判明、血痕はハイケのものと断定される。被疑者にはハイケに作品の剽窃を暴露されたベストセラー作家が浮かぶが、ハイケが勤めていた出版社の社長をはじめ、疑わしい人物が増えていく。さらにハイケの友人が昏睡状態で発見されて……。
出版業界をめぐる泥沼の事件に挑むのは警察オリヴァー&ピアのコンビ。オリヴァー&ピアシリーズ第10弾となる本作では、手を組み国際捜査を行う仏警察のレジーヌ&イヴのコンビが活躍する姿にも注目。シリーズを重ねてきたと感じるのはピアが腰痛を抱えながら捜査をしたり、読書眼鏡をかけているといった描写。
クイーム・マクドネル(著)青木悦子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
バニー・マガリー刑事には、かつて最高の相棒がいた――。1999年、アイルランド。ダブリンでは武装強盗が頻発。現金輸送車を襲う鮮やかな手口から、警察本部はカーター一味に目をつける。さらに、彼らが大量のコカイン密輸を計画しているという証拠を掴むため、特捜班に配属されたバニーと相棒の刑事グリンゴは一味を監視する任務につく。しかし、ジャズシンガーの黒人女性シモーンと出会ったことで、バニーたちの運命は大きく変わりはじめ……。
シリーズ第三作となる本作では『平凡すぎて殺される』『有名すぎて尾行ができない』に登場する刑事バニー・マガリーが主人公の過去編が描かれます。彼のバディはティム・”グリンゴ”・スペイン。シリーズは全4作ですが、時系列的には本作が一番過去にあたる部分を描いているので、ここから読み始めるのもおすすめです。ちなみに、ダブリン三部作(トリロジー)と呼ばれるシリーズの最終巻は『Last Orders(原題)』。本作はシリーズ前日譚的な位置付けです。
ギジェルモ・マルティネス(著)和泉圭亮(訳)
出版社(レーベル):扶桑社ミステリー
「私」はアルゼンチンから来たオックスフォード大学の給費留学生。2年目の課題として筆跡に関するプログラムの開発に取り組むなか、旧知の数学者セルダム教授から秘密の依頼を受ける。その依頼とはルイス・キャロルの喪われた日記にまつわる、新出の書類の筆跡鑑定。ルイス・キャロル同胞団内部に蠢く不穏な空気を破ってやがて幕を開ける悲劇。アリスと数理数列に彩られた知の迷宮に挑むセルダムの叡智が見出した真実とは……。
ワトスン役は「G」と名乗るアルゼンチンからの給費留学生。ホームズ役は「G」の留学先であるオックスフォード大学数理論学のアーサー・セルダム教授です。イギリスの古典ミステリと南米の空気が混じり合う感じがクセになります。
S・J・ローザン(著)直良和美(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
「ミシシッピへ行きなさい。あの白いマントヒヒを連れて」突然の母の言葉に、私立探偵のリディアは言葉を失った。パートナーのビルとわたしが、なぜアメリカ南部に……。それは殺人の容疑をかけられた青年の無実を証明してほしいという、親戚からの依頼だった!
知られざる中国系アメリカ人の歴史をひもときつつ、事件の解決に奔走するのはリディア・チン&ビル・スミスの二人組探偵です。本作の舞台は二人のホーム、ニューヨークではなくミシシッピー。アメリカ南部の人種や移民問題など、地域性なども絡んだ物語が展開していきます。二人の距離が縮まった関係性の変化も注目ポイント。
タイラー・ディルツ(著)安達眞弓(訳)
出版社(レーベル):東京創元社
ロングビーチ市の高級住宅街で、下院議員の息子ベントン三世の妻と幼い子どもたちが殺害された。強盗から政治がらみの怨恨までさまざまな動機が考えられたが、刑事のダニーは壁に飾られた一家の写真を見て不自然さを感じる。子持ちの家庭なら子どもを中心にした写真を飾るのが一般的だが、主であるベントン三世の写真ばかり。それが手がかり?
過去の事件で負った体と心の痛みを抱え、捜査に没頭する刑事ダニーと、静かに彼を支え続ける相棒の女性刑事ジェンの刑事コンビの絆を描く警察小説シリーズ第二作。本作ではダニーが過去に負った心身の痛みの中身が明らかになります。信頼し合うダニー&ジェンのやりとりにシリーズ二作目にして絆のようなものも感じます。
青柳碧人(著)
出版社(レーベル):小学館
精南大学の男子寮《獅子辰寮》の代表となった長瀬秀次は、四月から二回目の三年生。同室となるのは、アメリカ Los Angeles出身のケビン・マクリーガル。桜満開の三月の終わり、大学の旧学生会館で死体が発見され、第一発見者の寮の後輩が、警察に連行され事情聴取を受けたという。果たして後輩の無実を晴らすことはできるのか――。
本作の探偵コンビは寮のルームメイト。「ミョーデス!」日本の文化が大好きなだけでなくすぐれた洞察力を持つケビンと、なにかと巻き込まれがちな秀次が、いつの間にか探偵コンビとして活躍します。タッチはライトですが、ミステリーは本格的。流暢な日本語を話し、日本文化にも精通しているアメリカ人のケビンから学ぶ日本文化という視点で楽しむのもおすすめです。
森博嗣(著)
出版社(レーベル):講談社文庫
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む!
物理、数学の知識量たっぷりの犀川先生と暗記・計算に強い萌絵という天才タイプの二人は、化学人間という共通項を持ちながらも、性格は真逆の凸凹な一面もありのよきコンビ。頭脳は同じタイプなのに交わす会話は真逆というアンバランスさこそがいいバランスに。理系の会話や言葉に「?」となる場合には「そういうものなのね」と読み進めるのがおすすめ。理系的な部分をしっかり理解しなくても十分に楽しめる物語、二転三転する謎解き、スピード感も魅力です。
阿津川辰海(著)
出版社(レーベル):KADOKAWA
犯人を挙げるため違法捜査も厭わなかった捜査一課での職務を失った永嶺スバルの異動先は「警視庁公安部公安第五課 コトダマ犯罪調査課」、通称「SWORD」。そこは全世界に100人が存在し、それぞれ異なる動詞を操る「コトダマ遣い」の犯罪を、同じ能力者たちが捜査するという世界初の公的機関だった——。
全世界に100人の「コトダマ遣い」という能力者がいるという特殊設定ミステリーで能力者VS能力者というバトルが展開していく物語です。「SWORD」に集うのは背景も能力も違う「コトダマ遣い」。それぞれの能力には単独では微力なものもあり、限定条件などが伴うものも。だからこそ力を合わせる場面が際立ちます。主人公の永嶺スバルは事件捜査にコトダマを活かすことで実績をあげていたのですが、そのことで相棒を亡くした過去を持っています。そんな彼が、過去の相棒と近しい雰囲気を感じるのが桐山。決してソリの合うタイプではないけれど、事件解決という同じ目的のために戦えるコンビ。二人の小競り合いと息の合う捜査とのギャップも楽しめます。
今村昌弘(著)
出版社(レーベル):東京創元社
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出会えるのか――。
『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く「明智恭介」シリーズ第一短編集。日常の謎系に挑む明智の推理を描く物語は、ゆる~く読み進められるのもポイントです。明智のキャラクターにハマっている人には特におすすめ。探偵に憧れているし、名探偵の名前が入っているキャラクターだけど、名探偵とは程遠い応援したくなる探偵さんです。
青崎有吾(著)
出版社(レーベル):徳間文庫
「不可能」犯罪を専門に捜査する巻き毛の男、御殿場倒理。「不可解」な事件の解明を得意とするスーツの男、片無氷雨。相棒だけどライバル(?)なふたりが経営する探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には、今日も珍妙な依頼が舞い込む……。
不可能(HOW)担当と不可解(WHY)担当という二人の探偵がそれぞれの長所と短所を補い合いながら真相に辿り着いていく連作短編集です。万能じゃないからこそコンビで力を発揮!コンビものでW探偵って意外と少ないかも。バディものミステリー、個性的な探偵ものを気軽に楽しみたい方におすすめです。
横関大(著)
出版社(レーベル):講談社文庫
池袋が大変だ。猿が逃げ、警察官が人を投げ、他の女と浮気をしそうになると犯人が現れる。謎が謎を呼ぶ事件のそばには、いつも神崎と黒木がいる。そして、究極の二択に直面する神崎。擁護か、決別か。黒木が相棒にすらひた隠し守ろうとしていたものとは――。
クールで理論派の神崎が異動してきたのは池袋署刑事課強行係。そこには警察学校の同期、型破りな直感型の黒木がいた。一見まったく合わなそうな二人だが、警察学校後も連絡を取り合う仲。そんな二人がバディとして事件を解決しながら、絆を深めていくのですが、出会ってから10年以上、黒木が神崎に伝えていないことがあって……というミステリーな物語が展開します。
澤村御影(著)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫
人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。なぜか高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――。
ちょっぴり残念なイケメン准教授と常識担当の大学生の凸凹コンビが、民俗学の知識を駆使して怪奇事件や都市伝説の謎を”解釈”する軽快なミステリーが展開します。没入感も本作の魅力。嘘をついている部分は文字でも表現されているので、深町くんの気持ちも理解できたような気分になるし、高槻准教授の解釈にはまるで講義聞いているような感覚を味わえます。
堂場瞬一(著)
出版社(レーベル):ハルキ文庫
白昼の新宿で起きた連続殺傷事件。無差別に通行人を切りつける犯人を体当たりで刺し、その行動を阻止した男は、そのまま現場を立ち去り、月日が流れた。未解決事件を追う警視庁追跡捜査係の沖田大輝は、犯人を刺した男の僅かな手がかりを探し求めていた。一方、同係の西川大和は、都内で起きた貴金属店強盗を追って、盗品の行方を探っていた。
警視庁追跡捜査係の沖田大輝と西川大和は、お互いのプライドをかけて事件解決に挑む同期。沖田は猪突猛進型の行動派といういわゆる「動」タイプ。西川は理論主義型で頭脳派な「静」タイプという対照的な二人だけど、お互いのことは認め合っているというのもポイント。著者作品には珍しいコンビものという点にも注目です。
米澤穂信(著)
出版社(レーベル):集英社文庫
堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいという……。
放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生コンビが挑むミステリー短編全6話を収録。このコンビには探偵と助手のような役割分担がなく、どちらも探偵役として謎に挑みます。勉強ができるタイプの二人の知的な言い回しや掛け合いも面白く、どこか飄々としていてサラッとスマートに謎を解いてしまう感じもGOOD。仲良しコンビという感じではない、絶妙な距離感も心地よい。謎解きが中心ですが、ちょっとビターなエピソードもあり。
有栖川有栖(著)
出版社(レーベル):講談社文庫
日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家・真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか――。
「火村シリーズ(作家アリスシリーズ)」の第一作となる本作は、探偵・火村×作家・アリスのコンビが密室ミステリーに挑みます。探偵役は臨床犯罪学者の火村、ワトスン役がミステリー作家のアリスで、ストーリーもコンビの関係性も王道で読みやすくおすすめです。ユーモアと皮肉がたっぷりな火村とアリスの会話からは二人の関係性も伝わってきて楽しく読み進められます。
喜多喜久(著)
出版社(レーベル):中公文庫
特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン准教授・風間由人。分析フェチの彼に体質を見抜かれ、強引に助手にスカウトされた潤平は、未解決の殺人現場に連れ出されることになり……。
第5作まで続いている人気シリーズの第1作。コンビを組むのは分析フェチのイケメン准教授×死の香りをかぎ分ける青年です。タイトル通り、死の香り、いわゆる死臭が漂う物語なのですが、優しい桜庭くんと、おもしろい距離感の風間先生の関係性がそこをマイルドにしてくれているような印象を受けます。
中西鼎(著)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫
警視庁に新設された精鋭部隊「高度科学犯罪対策班」(通称・科対班)に召集された大村珠緒。彼女の新たな相棒は、元東大の研究者で容姿端麗だが奇人ぶりで周囲を振り回す男、葵野数則だった。圧倒的な科学知識と天才的な頭脳で巧妙なトリックを見破る葵野と、人の心への共感力で思いもよらない事実を見抜く珠緒のバディは、科対班に舞い込む難事件を次々に解決していく――。
異色の刑事バディが難事件に挑むミステリー。科学の知識を持つ葵野がトリックを、真実を見抜く直感力を持つ大村が動機を見破る。理性と感性が混じり合い、事件の解決へと導いていきます。奇人で周囲を振り回す男・葵野は数字に異常な興味があるだけで、人間的には悪い人じゃない点、珠緒は人の心への共感力を持ちながらも感情主体で動く人物ではない点が、このバディを安心して見れるポイントかも。
似たもの同士、振り回される側と振り回す側、犬猿の仲、仕事上二人組にされてしまった……などコンビの関係性はさまざまです。お気に入りのコンビを見つけて、謎解きや事件解決とあわせて、二人の関係性やドラマ的な部分も楽しんでみてはいかがでしょうか。
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