2024/03/15

【まったり古典ミステリー】『ブラウン神父』キャスト紹介(シーズン10までのネタバレ含む)

2013年の放送開始以来、ミステリードラマとして不動の人気を確立してきた『ブラウン神父』。美しいイギリスの田園風景に1950年代のクラシックな雰囲気、そして予想のつかない独創的なトリックでつねに視聴者を虜にしてきました。そんな本作の最新シーズン11が、ミステリーチャンネルで5月に放送することが決定!そこで今回は『ブラウン神父』のメインキャストの出演情報をまとめてみました!※シーズン10までのネタバレを含みますのでご注意ください

●BBC制作の大人気ドラマシリーズ『ブラウン神父』とは?

イギリス・コッツウォルズの田舎町ケンブルフォード(残念ながら架空の町です)で巻き起こるさまざまな難事件を、ローマ・カトリックの神父が解決していくBBC制作のミステリードラマ『ブラウン神父』。イギリスを代表する推理作家のひとり、G・K・チェスタトンによる同タイトルの小説が原作となっています。読者の意表を突く犯人のトリックを論理的に紐解いていくスタイルで人気を博した原作の魅力はそのままに、舞台を1950年代のイギリスに変更してまったりとした雰囲気で楽しめるようになった一話完結型のドラマです。

●マーク・ウィリアムズ/ブラウン神父(S1~)


© BBC Studios 2024

自分の受け持つ教区内で起こる事件の数々を、聖職者ならではの深い洞察力で謎を紐解き真相を突き止めていくブラウン神父。柔和なイメージとは裏腹に、「人の罪」というものを誰よりも知っている彼の口から紡がれる言葉は、深い場所から直接心に響いてくるような重さがあります。事件解決のためだけではなく、犯行に至った犯人の心をすくいあげようとする彼は、刑事や探偵とはまた違った魅力のある主人公ですね。

そんな本作の主人公ブラウン神父を演じるのは、マーク・ウィリアムズ。大ヒット映画『ハリー・ポッター』シリーズで、主人公ハリーの親友ロン・ウィーズリーの父親アーサー・ウィーズリー役でご存じの方も多いのではないでしょうか。1980年代からイギリスのTV・映画を中心に活躍しており、ディズニーアニメーション原作の実写映画『101』(1996)では、クルエラの命令で子犬を狙う泥棒役で出演!(ちなみにその泥棒の片割れを演じていたのは、『Dr.HOUSE』『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』のヒュー・ローリーです)

『ミス・マープル』『孤高の警部ジョージ・ジェントリー』『ニュー・トリックス~退職デカの事件簿~』など多くのドラマにゲスト出演しており、2021年放送の『もう一人のバーナビー警部』(第46話)にも出演していますよ!

●ソーチャ・キューザック/マッカーシー夫人(S1~)


© BBC Studios 2018

ブラウン神父の衣食のお世話から、教会の管理まで一手に担うマッカーシー夫人。殺人や強盗のような恐ろしい犯罪が起きた事件にも積極的にかかわろうとするブラウン神父の身を誰よりも心配しており、時に口うるさく小言をこぼすことも。シーズンを重ねていくと、それもまた彼女なりの愛情表現だということがよく分かる、本作には欠かせない重要人物ですね。実は原作には登場しないドラマのオリジナルキャラクターです。

マッカーシー夫人を演じるのは、ソーチャ・キューザック。アイルランド出身の俳優シリル・キューザックとモーリーン・キューザックの間に生まれた5人兄弟の次女であり、彼女以外の兄弟もみな演技の世界に携わっています。『ブラウン神父』シーズン8第6話にはマッカーシー夫人の妹ロイジンが登場するのですが、実はソーチャ・キューザックの実の妹さんであり同じく女優のニーヴ・キューザックが演じていました!

そんなソーチャ・キューザックですが、1973年に放送されたBBCのミニシリーズ『Jane Eyre(原題)』で主演を務めたことで知られており、『主任警部モース』や『名探偵ポワロ』『オックスフォードミステリー ルイス警部』などおなじみの作品へのゲスト出演も多いです。2023年も『マードック・ミステリー~刑事マードックの捜査ファイル』や『刑事ダルグリッシュ』にゲスト出演をしていますよ。

●ナンシー・キャロル/フェリシア(S1~)


 © BBC Studios 2018

ブラウン神父の教区民であり、ケンブルフォードでも有数の大邸宅モンタギュー邸で暮らす貴婦人レディ・フェリシア。いつでも頭からつま先まで優雅な装いで社交界を謳歌する彼女ですが、ブラウン神父のお茶会にも頻繁に参加します。マッカーシー夫人とは口喧嘩が絶えないながらも馬が合うようで、彼女とのコンビが活躍するエピソードも多いですね。

演じているのはナンシー・キャロル。16世紀のイギリスを舞台に若き日のウィリアム・シェイクスピアを描いたドラマ『Will(原題)』(2017)や、人気刑事ドラマのリメイク作『女捜査官テニスン ~第一容疑者1973』(2017)に出演。『オックスフォードミステリー ルイス警部』や『ウィッチャーの事件簿』『ザ・クラウン』にもゲスト出演しています。2022年からスタートした『アントワーヌとマリーヌ~プロヴァンスの事件簿』では、『刑事モース~オックスフォード事件簿~』のロジャー・アラムと共演していますね!

●アレックス・プライス/シド・カーター(S1~)


© BBC Studios 2019

レディ・フェリシアのお抱え運転手のシドは実は元泥棒。足を洗った後はそれなりに品行方正な生活を送っている彼ですが、若く屈強な肉体と器用な手先は、警察に頼らず独自に捜査を進めるブラウン神父からはかなり頼りにされています。とあるシーズンから村を離れることになるのですが、そのあともちょくちょくブラウン神父とマッカーシー夫人のところへ顔を出していますね。

シドを演じているのはアレックス・プライス。マット・スミスが11代目ドクターを務めた『ドクター・フー』新シリーズのシーズン5第6話や、『ヴェラ~信念の女警部』や『警視グレイス』にもゲスト出演しています。『ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア血塗られた秘密~』では、ヴィクター・フランケンシュタイン博士によって生み出された人造人間プロテウス役を演じました。2022年に放送されたダミアン・ルイス&ガイ・ピアース主演のミニシリーズ『A Spy Among Friends(原題)』にも出演していますよ!

●トム・チェンバース/サリバン警部(S2~)


© BBC Studios 2024

なぜかいつも自分よりも先に事件現場に到着しているブラウン神父にイライラを隠せないケンブルフォード警察のサリバン警部。それでもブラウン神父に助けてもらった恩を忘れずに彼が困っているときには助けに来てくれる義理堅い男です。心の奥底ではブラウン神父の観察眼と推理の鋭さを認めているので、鬱陶しそうにしながらもアドバイスはしっかり聞いています。

そんなサリバン警部を演じるのは、トム・チェンバース。1986年から続くBBCの大ヒット医療ドラマ『Casualty(原題)』のシーズン30~31(2016-2017)にレギュラー出演し、その後同シリーズのスピンオフである『Holby City(原題)』にも同じ役で出演しています。どちらもイギリスではかなりの長寿番組でエピソード数は1000を超えています(!)。『Holby City』は1999年からスタートし、2022年に幕を閉じました。トム・チェンバースはシーズン8~11にレギュラー出演しています。2018年には、ITVの『Emmerdale Farm(原題)』にも出演。こちらも1972年から続く超ロングランドラマです。『もう一人のバーナビー警部』第42話にもゲスト出演しています!

●ジョン・バートン/グッドフェロー巡査部長(S2~)


© BBC Studios 2024

捜査関係者ではないのに事件現場にやってくるブラウン神父は警察組織の嫌われ者…のようですが、実はそうでもなく。捜査を指揮する警部補たちは渋い顔をするものの、制服警官たちからは一定の敬意を持たれているブラウン神父。かくいうこのグッドフェロー巡査部長も、オフィシャルの場ではボスの命令通りブラウン神父を現場から追い払うものの、彼自身は敬虔な教区民であり、地元の催し物にも積極的に参加しています。上司への忠誠心はもちろん高い(むしろ彼以上の忠義者はイングランド中を探しても見つからないでしょう)グッドフェロー巡査部長ですが、数々の事件をそっと解決してきたブラウン神父の深い洞察力にも大きな信頼を寄せているのです。

グッドフェロー巡査部長を演じるのは、ジョン・バートン。ITVで1960年から続くドラマ『Coronation Street(原題)』や、リバプールを舞台にした『Brookside(原題)』、架空のサッカーチーム「Harchester United」の活躍を描いた『Dream Team(原題)』など多くの作品にゲスト出演してきました。

●ジャック・ディーム/マロリー警部補(S4~)


© BBC Studios 2019

なんだかいつでもカリカリしていて歴代警部補の中でもブラウン神父への当たりが強い(当社比)マロリー警部補。はじめに登場したときには「とんでもないのが来たもんだ」と思ったものですが、シーズンを重ねるごとに彼がブラウン神父を呼ぶときの「Padre!」の響きが癖になるような……。実は奥さんに頭が上がらない、子供たちを愛するパパさんという一面も。

マロリー警部補を演じるのはジャック・ディーム。『主任警部アラン・バンクス』では、アランの部下ブラックストーン刑事役でレギュラー出演。マンチェスターの繊維工場の従業員たちのそれぞれの物語を描いたBBCのドラマ『CLOCKING OFF(原題)』(2000-2003)にも出演していました。近年は『リドリー~退任警部補の事件簿』第3話や、『ヴェラ~信念の女警部』シーズン12第4話にもゲスト出演しています!

●エマー・ケニー/バンティ(S5~)


© BBC Studios 2019

レディ・フェリシアの姪で、好奇心旺盛で活動的なバンティ。ロンドンではいつでも社交界の華であり、そしてそれと同じくらいに騒動の種にもなってきた彼女は、ケンブルフォードにやってきてからはマッカーシー夫人の厳しい監視のもとで落ち着いた生活を送るよう言いつけられています。パワフルに車を乗り回し、必要とあらばハイヒールを脱いで建物をよじ登り手がかりを探してきてくれるバンティは、何かと事件によく巻き込まれるブラウン神父にとっての頼もしい助手でもあります。

バンティを演じているのはエマー・ケニー。ジェームズ・コーデン主演のホラーコメディ『レズビアン・バンパイア・キラーズ』(2009)や、BBCのロングランドラマ『EastEnders(原題)』にレギュラー出演。2012年から2014年にかけて放送されたシットコム『Pramface(原題)』にも出演しています!脚本家としても活躍しており、『EastEnders』や『Harlots/ハーロッツ 快楽の代償』(2017-2019)のエピソードも担当。自身も出演している『刑事カレン・ピリー 再捜査ファイル』でも脚本を手掛けていますよ!

●クローディー・ブレイクリー/ディヴァイン夫人(S10~)


© BBC Studios 2024

シーズン10から新たに登場するディヴァイン夫人。妹の世話をするためにケンブルフォードを去るマッカーシー夫人の後を任される形で、ブラウン神父の秘書を務めることに。マッカーシー夫人とは異なり家事の手伝いなどはしませんが、ブラウン神父の捜査には積極的に協力!戦時中は救急車の運転をしていたこともあって、運転の腕前はかなりのものです。愛車”ヘラクレス”とともに、どこへでもブラウン神父を連れて行ってくれます。

ディヴァイン夫人を演じるのはクローディー・ブレイクリー。マギー・スミスやヘレン・ミレンら豪華キャストが共演した『ゴスフォード・パーク』(2001)や、25歳の若さでこの世を去ったイギリスの詩人ジョン・キーツの物語をベン・ウィショー主演で描いた『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』(2009)など多くの映画に出演。2005年公開の映画『プライドと偏見』では、キーラ・ナイトレイ演じるエリザベスの親友シャーロット役でピンとくる方も多いかもしれません。ジュリア・マッケンジー版『ミス・マープル』シーズン5第3話「青いゼラニウム」では、不審な死を遂げたメアリー・プリチャードの妹フィリッパ役で出演。『グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース』シーズン2や『ロンドン警視庁コリン・サットンの事件簿』にもレギュラー出演しています!2022年にネットフリックスで配信された『ローワン・アトキンソンのヒトvsハチ』では、ハチとの戦い(?)の末に逮捕されて裁判にかけられてしまう主人公の妻役で出演していますよ。

●ルビー=メイ・マーティンウッド/ブレンダ・パルマ―(S9~)


© BBCS 2023

とある事件に巻き込まれたところをブラウン神父とバンティに助けられ、ケンブルフォードで教会の家政婦として雇われたブレンダ。軽犯罪で少年院に入っていた過去を持ち、やや後先考えない性格のせいでトラブルに巻き込まれてしまうことも多い彼女ですが、ブラウン神父の保護のもとで少しずつ落ち着いた生活になじんでいきます。

ブレンダを演じているのはルビー=メイ・マーティンウッド。2017年制作のトム・ハーディ主演のドラマ『TABOO』がドラマ初出演。『RideBy(原題)』(2018)や『Mr Wong’s Lullaby(原題)』(2021)など日本未公開の映画・短編映画への出演ののち、2022年に放送された『ミステリー in パラダイス』シーズン11第7話にゲスト出演しています!

●最後に

イギリスを代表する推理作家のひとり、G・K・チェスタトン原作の『ブラウン神父』。短編集である原作をもとにしたドラマがここまで長く続き、人気もかなり高まっていることは原作ファンとしてもかなり嬉しい状況です!本国でもシーズン継続中であり、さらにはスピンオフ作品として『シスター探偵ボニファス』も始まるなど、まだまだシリーズへの熱は高まっていきそうですね。今回はメインキャラクターを中心にキャスト情報をまとめてみました。『ブラウン神父』本編はもちろん、キャストのほかの出演作にも興味を持っていただけたら嬉しいです。

(文:うりまる)

【ミステリーチャンネル放送情報】

ブラウン神父(シーズン11・全10話)ミステリーチャンネル独占日本初
字幕版:5/6(月・振休)夕方4:00 一挙放送

英BBCで今年1月に放送されたばかりの最新シーズン!
斬新かつ奇想天外なトリックでコナン・ドイルと並び称されるG・K・チェスタトン原作の大人気シリーズ!
まん丸顔に大きな帽子とこうもり傘がトレードマークのブラウン神父が、神父ならではの観察眼で容疑者の心理を見抜き、トリックを暴く!
今シーズンの第2話では、スピンオフ・シリーズも作られた人気キャラクター、シスター・ボニファスが登場!
「ブラウン神父」番組公式サイト

ミステリーチャンネルでの放送番組に関するお問い合わせは、ミステリーチャンネル カスタマーセンターまで。

ミステリーチャンネルについて

世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」「SHERLOCK シャーロック」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!

ミステリーチャンネル ご視聴方法はこちら

ミステリーチャンネル 公式サイトはこちら

ミステリーチャンネル カスタマーセンター

0570-002-316

(一部IP電話等 03-4334-7627)

受付時間 10:00 - 20:00(年中無休)

ミステリーチャンネル カスタマーセンター

0570-002-316

(一部IP電話等 03-4334-7627)

受付時間 10:00 - 20:00(年中無休)

 

うりまる
2017年ごろから海外ドラマ・映画について執筆中。ミステリー作品ならなんでも好きですが、特にまったりとした(COZYな)ミステリーが好きです。