2025/02/27

ミステリー好きにおすすめのミステリー漫画44選【映画、アニメ、ドラマ化も多数!】

ミステリーはドラマ、小説、映画、そして漫画でも高い人気を誇るジャンルです。ミステリー漫画を原作に、映画やドラマ、アニメなど映像化される作品や、ミュージカルや2.5次元など舞台化されるものも多数あります。主人公もバラエティ豊かで魅力的なタイプがたくさんいるので、お気に入りやクセになるキャラクターがきっと見つかるはず。先が読めない謎に満ちた展開にドキドキしたり、本格的なトリックや謎解きにワクワクできるおすすめのミステリー漫画をご紹介します。

絶対読んでおきたいミステリー漫画おすすめ44選

『クロコーチ』

リチャード・ウー(原作) コウノコウジ(作画)
出版社(レーベル):日本文芸社
©リチャード・ウー/コウノコウジ/日本文芸社

県警・捜査二課に所属する黒河内圭太警部補。彼は政治家や実業家らの醜聞を握ることで、莫大な権力を得た汚れデカ。若きキャリア・清家はそんな彼を嫌悪するが、実は黒河内には、誰もが想像しえない巨大な目的があった……。

表紙の顔から漂う主人公クロコーチのダークさに惹き込まれます。「県警最悪の警察官」と呼ばれるほど悪名高いクロコーチが、さらに極悪でクズな警察上層部や政治家たちを追い詰めるさまが実に痛快で魅力的。作中に出てくる事件は実際に過去に起こった未解決事件をモチーフにしているので、ハラハラドキドキ感がさらに増します。

『相続探偵』

西荻弓絵(原作) 幾田羊(漫画)
出版社(レーベル):講談社
©Nishiogi Yumie/Ikuta You 2021/講談社

人の数だけ相続があり、相続の数だけ事件がある。今日もまた大御所ミステリ作家の葬儀の場で、遺産をめぐる熾烈な「争族」が始まった。そこにやってきた一人の探偵、名は灰江七生(ハイエナオ)。相続にまつわるトラブル専門の探偵だという灰江は、ハイエナの如き嗅覚で、作家が遺した「遺言」の秘密を暴き出す。

元弁護士のワケアリ相続探偵・灰江が相続の謎を解いていく物語です。灰江のちょっと掴みどころがなくゆるい感じとドロドロの遺産相続問題とのバランスが絶妙にマッチ。とても頼りになる元医大生と声の小さい元科捜研のエースと、法律、医学、科学捜査に精通したチームが遺産相続に焦点を当てたミステリーに挑みます!

『北北西に曇と往け』

入江亜季(著者)
出版社(レーベル):KADOKAWA(青騎士コミックス)
©入江亜季/KADOKAWA

舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。3つ、その職業は、探偵――。

一族に伝わるという不思議な力を持つ探偵の慧。アイスランドのひんやりした空気を感じながら、美しい風景も楽しめます。17歳にしてはちょっと大人びている慧をはじめ、フランス人の祖父、ちょっぴりサイコ感のある弟など登場人物それぞれにミステリアスな雰囲気が漂うのも魅力的。

『レイヴンエンドの人びと』

のばら(著者)
出版社(レーベル):KADOKAWA
©nobara/KADOKAWA

田舎町に佇む貴族の館”レイヴンエンド・ハウス”には、偏屈な主と、彼に忠実な使用人たちが暮らしていた。静かな日々の中突然、執事ミスター・コンドルが姿を消した。使用人たちから信頼され頼られてきた彼は一体どこへ。変わり者の主・レイヴンエンド卿は部屋にこもりっきりで当てにならない。そこへある日、コンドルの代わりに若い執事が現れて……。

レトロな雰囲気漂うお屋敷で起きる事件の謎解きに挑むのはミステリー好きのメイド・ニコラ。ベテラン執事の失踪という謎から始まるも難解なトリックは登場しない、ほっこり系ミステリー。全二巻完結なのでサクッと読めるのもポイント。

『探偵ゼノと7つの殺人密室』

七月鏡一(原作) 杉山鉄兵(作画)
出版社(レーベル):小学館
©七月鏡一・杉山鉄兵/小学館

あらゆる難事件を解決してきた探偵・ゼノ。だが彼は自分が「何者」か分からない記憶をなくした名探偵だった。ゼノの記憶の鍵を握るのは、闇の顔を併せ持つ高名な建築家・甲斐七楼。甲斐は自らが設計した完全犯罪が可能な7つの殺人密室を解き明かすようにゼノに依頼する。その報酬はなんとゼノの失った記憶だった――。

記憶喪失、名探偵、殺人、密室。ミステリー好きの心をくすぐるワードがたっぷりと詰め込まれています。様々なミステリーが展開できそうな登場人物が出てくるのですが、タイトルにもあるように7つの殺人密室。つまり密室殺人のために作られた館で事件が発生していきます。ミステリー好きが慣れ親しんだ密室殺人とはひと味違う物語に注目です。

『サイレーン』

山崎紗也夏(著者)
出版社(レーベル):講談社
©SAYAKA YAMAZAKI/講談社

武蔵県警の猪熊夕貴と里見偲はあらゆる事件の初動捜査を行う機動捜査隊(通称:キソウ)の刑事。二人は“相棒”として一緒に仕事をしているが、実は恋人同士でもある。そんな二人がある変死体発見現場で出会ったのが、橘カラ。以来この美しい女性、なぜか猪熊と里見の周辺をウロウロしはじめた。橘カラとは何者? 彼女の目的とは?

謎の女性・カラにかなりの不気味さを感じながらも、なぜか気になって仕方がない。カラはなぜ猪熊(通称:イノ)に執着するのか。各話ごとに入ってくる警察関連のコラムもあって、用語の意味や警察の仕事内容の理解に役立ちます。

『幻影博覧会』

冬目景(著者)
出版社(レーベル):幻冬舎コミックス
©冬目 景/幻冬舎コミックス

和と洋が混在する帝都を舞台に、繰り広げられる事件。探偵松之宮&助手真夜が疾走する!! 冬目景がお贈りする懐古調ミステリアスファンタジー!

知的好奇心旺盛な少女・真夜のちょっぴり影のある雰囲気がミステリアスなムードを引き立てます。事件が解決していく過程で少しずつ明かされる真夜の秘密にも注目。博識でありながら不可解な言動も多い彼女はいったい何者なのかが気になりつつ、大正ロマンに満ちた世界観に浸れる物語です。

『#真相をお話しします』

結城真一郎(原作) もりとおる(漫画)
出版社(レーベル):新潮社
©結城真一郎 もりとおる/新潮社

居酒屋で触れ合う男女、閑静な住宅街の裕福な親子、久々の同窓会で見たあいつ、やっと授かった愛し子、自然あふれる島でのスローライフ。目で見て分かる事実、だけど、ほんとにそれだけ?  

結城真一郎の新感覚ミステリをコミカライズした本作には、コミカライズ担当のもりとおるによる描き下ろしミステリ「定期購毒」も収録。ほんわかとした雰囲気の絵柄で描いていますが、ストーリーの内容とはかなりのギャップあり。帯には動画感覚で読めるミステリーとの文字もあり。隙間時間にサクッと読める日常に潜む非日常の物語です。

『ギフテッド』

天樹征丸(原作) 雨宮理真(漫画)
出版社(レーベル):講談社
©天樹征丸・雨宮理真/講談社

警視庁の若きホープ・天草那月は、ある日不思議な高校生・四鬼夕也に出会い興味を抱く。通りすがりの夕也は、複雑な殺人事件の犯人をいとも簡単に当ててみせた。一体なぜ彼には犯人がわかったのか。四鬼の高校で事件が起こったことで、二人は再び巡り合い――。

『金田一少年の事件簿』『BLOODY MONDAY』の天樹征丸が描く、ある秘密を持つ高校生と若き天才警察官の本格バディ&異能ものミステリー。テンポよく話が展開していきますが、キャラもしっかり立っているので、読みやすいのもポイントです。

『トレース 科捜研法医研究員の追想』

古賀慶(著者)
出版社(レーベル):コアミックス
©古賀慶/コアミックス

科学捜査研究所。通称、科捜研。警察組織にありながら、被害者でも組織のためでもなく、ただひたすらに真実究明のためにのみ存在する特異な機関。元科学捜査官の異色作家が犯罪捜査の最前線を描きます。

科捜研をテーマにした作品も多いので、基礎知識あり! という方には特におすすめ。元科学捜査官の細かな描写により、物語を深く楽しむことができます。かわいいイラストありのコラムページもおすすめ。科捜研のお仕事内容の理解度がアップし、より身近に感じられます。

『変な家』

雨穴(原作/飛鳥新社刊) 綾野暁(漫画)
出版社(レーベル):一迅社
©雨穴・綾野暁/一迅社

オカルト専門ライターの「私」は知人から、とある家の間取り図を見せられた。そこには正体不明の「謎の空間」が存在するという。建築設計士・栗原に意見を求めると、彼はこの家のおかしなところを次々に指摘し始めた……!

2024年に間宮祥太朗&佐藤二朗W主演で映画化もされた新世代ホラー作家・雨穴のデビュー作にして代表作の“不動産ミステリー”を完全コミカライズした本作。原作も漫画も映画もそれぞれにスリリング。影のある雰囲気の絵柄も作品の雰囲気にぴったり。画になることで、間取りのつながりや位置関係の分かりやすさが高まります。

「ロスト・ラッド・ロンドン」

シマ・シンヤ(著者)
出版社(レーベル):KADOKAWA(ビームコミックス)
©シマ・シンヤ/KADOKAWA

ロンドン市長が地下鉄で何者かに殺害された。偶然同じ電車に乗り合わせた、平凡な大学生のアル。殺人事件の捜査にあたった、ワケあり刑事のエリス。事件がふたりを引き寄せ、そして数奇な運命が廻り始める――。

ロンドン市長殺害をめぐる、新感覚クライム・サスペンス。独特のタッチでありながらシンプルな絵柄で、ストーリー展開も早いのでテンポよく読み進められます。ロンドンを舞台にしているだけあって、海外ドラマの雰囲気あり。刑事×容疑者のバディで真犯人を追うという設定にもワクワクします。表紙もかっこよく、揃えて飾りたくなるシリーズです。

『生存~LifE』

福本伸行(原作) かわぐちかいじ(作画)
出版社(レーベル):講談社
©福本伸行・かわぐちかいじ/講談社

数年前に妻を亡くし、自らの体もガンに冒されていることを知った武田は、人生に絶望していた。自殺しようとしていた寸前、警察から一本の電話が入る。なんと14年前に行方不明となった、娘の佐和子が死体で発見されたのだという。時効を間近に控え、警察も諦めたこの事件に、武田は残された生命を懸け、犯人を見つけ出す決意をする――。

全3巻のシリーズですが、終始ハラハラドキドキ感が漂います。『カイジ』の福本伸行×『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじという奇跡のタッグが実現。3巻の最後の最後でのどんでん返しにミステリーファンはきっとテンションが上がるはず。

『SOIL』

カネコアツシ(著者)
出版社(レーベル):KADOKAWA
©カネコアツシ/KADOKAWA

とある地方都市のベッドタウン『そうるニュータウン』。穏やかなその町で停電が起きた夜、親子三人の一家が消えた。その失踪を契機に、異様な事件が続発し、平穏な町の裏側に潜む狂気や悪意が次々と表に上がってくる……。

「こんなに謎があって大丈夫なの?」とツッコミを入れたくなるくらい謎につぐ謎、謎に溢れる一巻から始まります。深まる謎を解き明かすべく、読み始めたら止まらなくなるミステリー。ふとしたことで日常って狂っていくものなんだなと実感し、人間の怖さを再確認できる物語です。ちょっぴりクセのある作風ですが、一度ハマったら抜け出せなくなるタイプかも。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

荒木飛呂彦(著者)
出版社(レーベル):集英社
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

ルーヴル美術館に所蔵されているという「この世で最も黒い絵」。17歳の時に耳にした奇妙な噂。その絵の謎を追い、岸辺露伴はパリへ向かう――。

ルーヴル美術館BD(バンド・デシネ)プロジェクトのために描き下ろされた荒木飛呂彦初のフルカラーコミックです。主人公・岸辺露伴の淡い恋の思い出と「この世で最も黒い絵」の謎解きがミステリータッチで展開。露伴先生のセンチメンタルな一面を発見する一冊。後味の切なさもたまりません!

『ないない堂 ~タヌキ和尚の禍事帖』

加藤元浩(著者)
出版社(レーベル):講談社
©Motohiro Katou 2023/講談社

七狸山の森の中にある、謎の失せ物探し屋「ないない堂」。その女店主・銀花は事件に関する重要な物が見える「見通し」の特殊能力を持っていた。七狸山の寂れた山寺に勤めることになったド素人住職・タヌキ和尚と共に怪事件を解決していく新感覚“妖怪”ミステリー。

妖怪が出てくる物語ですが、本当に怖いのは人間の執念?!と感じずにはいられません。失せ物探し屋の女店主×ド素人住職のバディもので、人情味もたっぷり。住職としてはド素人のタヌキ和尚ですが、落ちたとはいえ法律を学んでいるところにも安心感を覚えます。

『魍魎の匣』

京極夏彦(原作) 志水アキ(作画)
出版社(レーベル):KADOKAWA
©志水アキ/KADOKAWA

終戦間もない昭和の日本。女学校に通う楠本頼子と柚木加菜子は、最終列車に乗って湖に行く計画を立てる。当日、加菜子は到着した電車に轢かれてしまう。偶然居合わせた警視庁捜査一課の木場刑事は、混乱した現場で頼子の監視を頼まれる。加菜子の安否を気遣う頼子とともに、運ばれた病院に向かった木場は、そこで加菜子の姉と名乗る女性、柚木陽子と出会う。それは、木場が憧れていた女優、美波絹子その人だった。

京極夏彦の大ベストセラー小説のコミック版。美しさの中におどろおどろしさと、京極作品ならではの鬱っぽい雰囲気をしっかり感じられるコミカライズです。原作の文章の散りばめ方や登場人物の表情、夜の街の景色など、京極作品好きがグッとくるポイントに溢れています。

『オールド・ボーイ』

土屋ガロン(原作) 嶺岸信明(作画) 
出版社(レーベル):双葉社

謎の監禁施設7.5階に10年間監禁されたされた男が、誰が何のために自分を監禁したのかを探っていく――。

2003年に韓国で映画化され、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。2013年にはハリウッドで韓国版がリメイクされました。自分がなぜ監禁されたのかその理由が分からない男と見えない犯人との攻防をスリリングに描き出します。劇画チックなタッチでハードボイルドなミステリー好きにおすすめ。謎の監禁施設に10年間監禁されていたという設定から気になりすぎて、一気に読み進めたくなるシリーズです。

『地獄くらやみ花もなき』

路生よる(原作) 藤堂流風(漫画)
出版社(レーベル):KADOKAWA(角川コミック・エース)
©路生 よる/KADOKAWA
©藤堂 流風/KADOKAWA

罪人が化け物に見えてしまう遠野青児は、古ぼけた洋館で相談所を営む美少年・西條皓と出会う。優れた洞察力と妖しい美貌を持つ皓のもとで、青児はなぜか助手として働くことになり――!?

美少女探偵×ニート助手コンビが繰り広げる謎解きと日本の妖怪たちの物語。作品全体に漂うダークで怪しげな雰囲気と青児×皓コンビによるクスッと笑えるやりとりのバランスもよき。キャラクターチックに描かれていない妖怪には程よい暗さや怖さがあって、ゾクゾク感をプラスしています。

『金田一少年の事件簿 File(1)』

天樹征丸(原作) 金成陽三郎(原作) さとうふみや(漫画)
出版社(レーベル):講談社
©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社

名探偵・金田一耕助の血を引く金田一一(きんだいちはじめ)は、幼なじみの七瀬美雪の頼みで演劇部の合宿に参加することになった。だが合宿先となる孤島のホテル「オペラ座館」では恐ろしい事件が一たちを待ちかまえていた――。演劇部の演目「オペラ座の怪人」になぞらえたように起こる凄惨な連続殺人。第1の殺人後、姿を消した謎の男「歌月」。そして部員たちの心に影を落とす、女子部員“月島冬子”の自殺……。一は、この惨劇の真相にたどりつくことができるか!?

文庫版のFileシリーズは、事件ごとに収録されています。何度読んでもワクワクできる、まさにミステリー漫画の金字塔。オペラ座館殺人事件は、金田一一伝説のはじまりともいえるもの。かなり凄惨な事件が展開し、怪人・ファントムの登場シーンは一度読んだら忘れられなくなる名シーンのひとつです。

『外天楼』

石黒正数(著者)
出版社(レーベル):講談社
©石黒正数/講談社

外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の実……!?

奇妙にねじれて、愉快に切ない。石黒正数が描く不思議系ミステリー連作短編集です。かわいい絵柄ですが、読後感は複雑さもあり、切なさもあり。コミカルにはじまり、ゆるさもあり、ミステリー要素が出てきたと感じたと思ったらギャグ的なものが入り込んでくる。一見繋がりのなさそうな連作短編が、どう束ねられていくのか。その結末を見届けてみて!

『ミステリと言う勿れ 1』

著者:田村由美
出版社:小学館
©田村由美/小学館

主人公は謎めいた天然パーマの大学生・久能整。優れた観察力で、何気ない会話の中から事件の裏に隠されたヒントに気づき解決へと導く。心に刺さる名セリフがたくさん登場するのも本作の魅力。菅田将暉主演でのドラマ化に続き、整がシリーズ最大級の謎に挑む通称:広島編が実写映画化され、興行収入は47億円を突破。2023年の実写邦画興行収入第3位にランクインする大ヒットとなりました。

『憂国のモリアーティ 1』

著者:三好輝 構成:竹内良輔 原案:コナン・ドイル
出版社:集英社
©竹内良輔・三好輝/集英社

名探偵シャーロック・ホームズの宿敵・モリアーティ教授を大胆にリメイクし、犯罪紳士としての姿を鮮やかに描き出します。時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出します。モリアーティの正義が英国社会の闇を炙り出します。

『虚構推理 1』

原作:城平京 漫画:片瀬茶紫
出版社:講談社
©Kyo Shirodaira・Chashiba Katase/講談社

「第12回本格ミステリ大賞」を受賞した小説をコミカライズ。“知恵の神”として怪異たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、「妖怪変化を二種類ばかりたらふく食べた」ことで怪異にさえ恐れられるようになった男。そんなふたりに振りかかる奇想天外な事件と“合理的”な解決による結末、そして恋の行方を描く恋愛×伝奇×ミステリー作品。変わり種の謎解きがクセになります。

続きはミステリードラマコラム

『鴨乃橋ロンの禁断推理 1』

著者:天野明
出版社:集英社
©天野明/集英社

主人公はかつて、探偵養成学校BLUEで、解けない謎はない天才と呼ばれ、自らも類稀なる才能を生涯探偵に捧げると宣言した男・鴨乃橋ロン。しかしロンは探偵として致命的な欠陥を抱えていて…。訳あり探偵・鴨乃橋ロンがピュアでマヌケな捜査一課の刑事・一色都々丸(通称:トト)と鮮烈に謎を解き明かします。シュールな笑いを挟みつつ、サクサク事件を解決。ミステリー好きなら、謎めいたロン自身にも興味が湧き、どんどん読み進められるはず!

『金田一37歳の事件簿 1』

原作:天樹征丸 漫画:さとうふみや
出版社:講談社
© Seimaru Amagi/Fumiya Sato/講談社

かつて数々の難事件を解決した天才高校生・金田一一(きんだいちはじめ)は、37歳のオッサンになっていた。小さなPR会社で働く金田一は、上司の命令で離島リゾートのイベントを担当することに。なんとその島は、3度も殺人事件が起きた”オペラ座館”のあった歌島だったーー。金田一のいるところに事件あり。なぜか事件から遠ざかっていたハジメちゃんですが、やはり名探偵の宿命からは逃れられない。華麗な名推理に心が躍ります。

『薬屋のひとりごと 1』

原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)
作画:ねこクラゲ
構成:七緒一綺
キャラクター原案:しのとうこ
出版社:スクウェア・エニックス
©2023 Natsu Hyuuga/Imagica Infos Co.,Ltd.
©Nekokurage/SQUARE ENIX
©Itsuki Nanao/SQUARE ENIX

主人公は中世の宮中で下働きをする少女・猫猫(マオマオ)。花街で薬師をしていた彼女が、帝の御子たちが皆短命であるという噂を聞いてしまったところから、物語は動き始めます。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める猫猫の運命はーー。イケメン宦官・壬氏(ジンシ)に能力を買われ、後宮で起こるさまざまな事件を解決する猫猫の姿は、まさに宮中の名探偵。薬の知識なども勉強になります。

『ダーウィンズゲーム 1』

著者:FLIPFLOPs
出版社:秋田書店
© FLIPFLOPs(別冊少年チャンピオン・秋田書店)

見知らぬアプリ「ダーウィンズゲーム」を起動させてしまった主人公・須藤要。「ダーウィンズゲーム」とは、画面から飛び出してきた謎の蛇に噛まれることでシギルと呼ばれる超能力を授かり、その能力を使って殺し合いをしてポイントを稼ぐゲーム。訳もわからないままゲームに参加することになった要の前には、対戦相手のパンダ男が現実に現れてーー。生死をかけたソーシャルゲームの行方はもちろん、「ダーウィンズゲーム」自体の謎も気になります。

『ウツボラ 1』

著者:中村明日美子
出版社:太田出版
©nakamura Ink./太田出版

謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていきます。事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間をうごめく謎は深まるばかり。顔のない死体とひとつの小説をめぐる、謎の物語です。知ることは怖いけれど、好奇心が勝りページを捲る手が止まらない! 妖艶な世界観に引き込まれます。

『幽麗塔 1』

著者:乃木坂太郎
出版社:小学館
©乃木坂太郎/小学館

時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオ曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名で…。時代感も相まってよきミステリー感を漂わせています。天野を襲ったのは誰なのか、幽麗塔に隠された秘密とは、そして、テツオとは何者なのか。謎が謎を呼ぶ展開にワクワク。ホラー要素も散りばめられ、いい緊張感で読み進められます。

『親愛なる僕へ殺意をこめて 1』

原作:井龍一 漫画:伊藤翔太
出版社:講談社
© Hajime Inoryu / Shota Ito/講談社

「人生は楽しんだもん勝ち」がモットーの大学生・浦島エイジ。しかし彼は、人には言えない“過酷な運命”を背負っており、その現実と向き合った時、彼は惨劇に巻き込まれていく―――。“記憶”や“二重人格”“サイコパス”などのテーマも盛り込まれ、真相に辿り着いたかと思いきや、二転三転していきます。なかなか真相に辿り着けないけれど、テンポよく話が進むのでサクサクと読み進められます。残酷なシーンも多いですが、最後に伏線が回収された時のスッキリ感は格別です。2022年に山田涼介主演でドラマ化されています。

『BANANA FISH 1』

著者:吉田秋生
出版社:小学館
©吉田秋生/小学館

ニューヨークのストリートキッズのボス、アッシュ・リンクスは、銃撃されて瀕死の男から「バナナフィッシュ」という言葉と薬物サンプルを託されます。「バナナフィッシュ」とは精神を病んだアッシュの兄・グリフィンが時々口にする言葉でもあり、アッシュはその謎を追うことに。「バナナフィッシュ」はマフィアのボス、ディノ・ゴルツィネも狙っているもの。同時にゴルツィネはアッシュを自分の支配下に置こうと策を巡らせます。そこに雑誌の取材でアッシュと出会ったカメラマンの助手、奥村英二も巻き込み事件は思わぬ展開へと発展してーー。「バナナフィッシュ」の謎とアッシュと英二の絆、さまざまな“自由”を求めるキャラクターの生き様など、魅力の詰まった不朽の名作です。

『十角館の殺人 1』

原作:綾辻行人 漫画:清原紘
出版社:講談社
© Yukito Ayatsuji/Hiro Kiyohara/講談社

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を舞台に、集まった大学ミステリ研の7人を襲う連続殺人事件を描く本格ミステリー。日本のみならず世界中のミステリーファンを熱狂させ続けている推理作家・綾辻行人のデビュー作であり、「館」シリーズ(全世界シリーズ累計670万部の大ベストセラー)第一作をイラストレーターとしても活躍する清原紘がタッグを組みコミックリメイク。美しい絵で描かれる凄惨な殺人劇のコントラストにゾクゾク。2024年3月に実写ドラマ化。

『美食探偵 明智五郎 1』

著者:東村アキコ
出版社:集英社
©東村アキコ/集英社

食にまつわる探偵奇譚! 事件のカゲには食があり食の裏にはナゾがある。ちょっぴりズレている古風で見目麗しい美食家の五郎と、その美食イケメン五郎の胃袋を日々満たしている、ワゴン販売する料理の知識が豊富な弁当屋の苺が事件解決に奮闘。美しくスマートな五郎とガサツな苺とのバランスもGOOD。名探偵・明智五郎の華麗なる推理劇の中に散りばめられた東村流の笑いのセンスが光ります。2020年に中村倫也主演でドラマ化。

『魔人探偵脳噛ネウロ 1』

著者:松井優征
出版社:集英社
©松井優征/集英社

女子高生・桂木弥子の父親が殺された。密室の惨殺事件。謎に満ちた事件は弥子の日常を混乱へ…。一向に捜査が進展しない中、悲しみにくれる弥子の前に脳噛ネウロと名乗る男が現れる。彼は言う。究極の『謎』を解きたいと…。ダークな雰囲気漂う絵柄と強めのブラックユーモアが好みの方におすすめ。面白いのは原作者がどの段階でも極力責任のある終わり方が迎えられるように…と1、2、3、7、10巻用のストーリープランを作っていたこと。結果、23巻まで続くことになったものの、すべてのストーリーがラストに繋がるという素晴らしい終わり方をしている構成の面白さにも惹かれます。

『応天の門 1』

著者:灰原薬
出版社:新潮社
©灰原薬/新潮社

時は平安、藤原家が宮廷の権力を掌握せんと目論んでいたその頃、都で突如起きた女官の行方不明事件。「鬼の仕業」と心配する帝から命を受けた在原業平は、ひとりの青年と出会う。その少年の名は菅原道真。ひきこもり学生の菅原道真と京で噂の艶男・在原業平。頭脳の道真と行動力の業平。身分も生まれも違う、およそ20歳差のふたりが京で起こる怪奇を解決!? “応天門の変”や藤原氏を中心に繰り広げられる宮廷の権力争いが複雑に絡み合う、史実とフィクションが絶妙に入り混じるストーリーにハマります。

『インハンド 1』

著者:朱戸アオ
出版社:講談社
© Acato Ao/講談社

地球上から根絶されたはずの伝染病・天然痘を疑われる患者が都内で多数発生。牧野の依頼を受けた紐倉と高家は、感染経路を辿るうちに、これがただのアウトブレイクではなく、バイオテロの可能性があることに行き着く。犯人の正体、その意外な目的とはーー。異常なほど多くの知識を持ち、最適温タイミングで最適な知識を引き出す義手の天才学者・紐倉哲が主人公の医療ミステリー。2019年に山下智久主演でドラマ化。

『白暮のクロニクル 1』

著者:ゆうきまさみ
出版社:小学館
©ゆうきまさみ/小学館

厚生労働省の新米公務員・伏木あかりが配属されたのは不死の種族「オキナガ」を管理する部署。厚労省での仕事1日目にオキナガ惨殺事件と遭遇し怪死事件を追う任務を与えられる、あかり。しかも見た目は少年、中身は88歳老人の殺人事件マニア・雪村魁とタッグを組まされて…。時を越えて生きるオキナガに起こる怪死事件、彼らの想いが紡ぐ年代記(クロニクル)。死なない人種“オキナガ”がいるという特殊な設定で繰り広げられる日常系×非日常ミステリー。“オキナガ”の存在自体が謎めいていて暴きたい気持ちが湧き出てきます。

『探偵学園Q 1』

原作:天樹征丸 漫画:さとうふみや
出版社:講談社
©天樹征丸・さとうふみや/講談社

「世界一の探偵になる!」その願いをかなえるべくキュウが挑むのは、伝説の名探偵・団守彦(だんもりひこ)が主催する“探偵学園”の型破りな入学試験。瞬間記憶能力者メグ、野生児キンタ、IT小僧カズマといった強力なライバルと共に、最高の探偵養成クラス「Qクラス」に入るために数々の超難解な謎を解き明かしていく。クラスメイトが力を合わせて謎解きをするチームワークも、成長や変化も描かれる人間模様も見どころです。アニメ化後に神木隆之介主演、志田未来、山田涼介共演でドラマ化もされている人気作です。

『名探偵コナン 1』

著者:青山剛昌
出版社:小学館
©青山剛昌/小学館

ホームズばりの推理力で、大活躍の高校生名探偵・工藤新一。ところがある日、事件を追っていた彼は、妙な薬の力で、なんと子どもに戻ってしまった…。仮の名を“江戸川コナン”。小さな名探偵は、世間の目を欺き、小学校に通いながらガールフレンドの毛利蘭の父・小五郎の探偵事務所に居候し、自身の体を小さくした謎の組織の行方を追います。ミステリー漫画の名作中の名作。漫画は1994年に連載がスタート、テレビアニメは1996年から放送開始。さらに、1997年からは毎年4月に劇場版映画が公開。シリーズを追うごとに内容もパワーアップ。興行収入も塗り替え続けているモンスター作品です。

『テセウスの船 1』

著者:東元俊哉
出版社:講談社
© Toshiya Higashimoto/講談社

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を開始。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていてーー。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス。現在と過去を行き来し、無差別殺人の謎を解いていく物語ですが、心がふたつの時代を行き来するごとに、事件の様相が変化し謎は深まるばかり。犯人の“声”のみが描かれ、“早くその姿が見たい、正体が知りたい”という欲求が強くなっていきます。2020年に竹内涼真主演、鈴木亮平共演で連続ドラマ化。泣けるヒューマンミステリーと話題に。

『探偵が早すぎる 1』

原作:井上真偽 漫画:三月薫
出版社:講談社
© Kaoru Sangatsu/Magi Inoue/講談社

父の死により莫大な遺産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、一華の命を救うためにある人物を雇った。それは、“事件が起こる前にトリックを看破し犯人(未遂)を特定”してしまう究極の探偵。史上最速で事件を解決、探偵が「人を殺させない」大人気傑作ミステリーを完全コミカライズ。解決が早すぎる!と感じなくもないけれど、事件が起きる前にトリックを見破るという設定の斬新さと、神出鬼没な探偵のキャラクターがGOOD! 滝藤賢一×広瀬アリスW主演でドラマ化。

『ビブリア古書堂の事件手帖 1』

原作:三上延
漫画:ナカノ
キャラクター原案:越島はぐ
出版社:KADOKAWA
©三上延/KADOKAWA
©越島はぐ/KADOKAWA
©ナカノ/KADOKAWA

就職浪人中の五浦大輔は、祖母の遺品の夏目漱石全集に書かれたサインの鑑定のために、ビブリア古書堂を訪れる。なりゆきで、入院中の店主の元を訪ねると、そこには高校のころ偶然見かけた美しい黒髪の女性・篠川栞子がいた。人見知りだが古書の知識は並大抵ではない栞子は、夏目漱石全集にまつわる謎を読み解き、大輔に語り始める。これは、栞子と奇妙な客人達が織り成す“古書と秘密”の物語。栞子の解説に感心しながらサクサク読み進められます。名作がたくさん登場するので、読みたい本が増える作品です。

『バチカン奇跡調査官 1』

著者:日野杏寿
原作:藤木稟
キャラクター原案:THORES柴本
出版社:KADOKAWA
©日野杏寿/KADOKAWA
©藤木稟/KADOKAWA
©THORES柴本/KADOKAWA

美しき天才科学者・平賀と暗号解読のエキスパート・ロベルトは世界中から寄せられてくる「奇跡の申告」を調査する「奇跡調査官」。天才神父コンビが世界中の難事件を解き明かす平賀とロベルトのバディも見どころ。天才とエキスパートなので、調査もテンポよく進んでいきます。奇跡を調査というのもなかなか見ない設定なので興味が湧く人も多いのでは? 美しい表紙ビジュにも惹かれます。2017年にテレビアニメ化。

最後に

本格的な推理や謎解きをしてみたい方はもちろん、ミステリー初心者なら漫画の絵に助けられて解決の糸口が見つかることも。ビジュアルで脳を刺激してくれるミステリー漫画。お気に入りを見つけてもっともっとミステリーの世界にハマってみませんか。


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タナカシノブ
紹介文:2015年9月よりフリーライターとして活動中。映画、ライブ、歌舞伎、落語、美術館にふらりと行くのが好き。