2024年9月にBBCで放送開始した「パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある(原題:Ludwig)」の字幕版が、ミステリーチャンネルで10/12(日)夕方4:00独占日本初放送!視聴者数約950万人以上を記録し(※)、2022年以降にBBCで放送されたドラマ作品の中で最多の視聴者数を獲得した最新英国ミステリーの魅力をイギリスでの反応を交えながらご紹介します。
※見逃し視聴を含む
© Big Talk Studios Limited MMXXIV. All Rights Reserved.
ルートヴィヒ(Ludwig)というペンネームで、ベストセラーパズル作家として生計を立てるジョン。実家に引きこもり、外の世界やテクノロジーとは無縁の生活を送っていたある晩、双子の兄・ジェームズの妻ルーシーから1本の電話がかかります。優秀な刑事であるジェームズが行方不明になり、居場所を突き止めるために協力してほしいとのこと。
ルーシーは、ジェームズが捜査していた事件に関わりがあると推理。手がかりとなる捜査資料を入手するために、見た目が瓜二つのジョンに、ジェームズになりすまして警察署に潜入してほしいと依頼します。
しぶしぶ引き受けたジョンのミッションは、「ジェームズのIDで警察署に入り、デスクから書類を持って帰るだけ」…のはずが、なんと主任警部として殺人事件を担当することに。
ジェームズは、人との関わりが苦手でいじめられっ子だったジョンとは正反対の性格。そんなジェームズのふりをするのに苦戦しながらも、パズルの知識を使って次々と事件を解決していくという奇抜すぎる設定のコージーミステリーです。
ちなみに、ジョンのペンネーム「ルートヴィヒ(Ludwig)」は、作曲家のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに由来していると思われます。少年時代のジョンが初めてパズルを作ったときに、聴いていたレコードがベートーヴェンの第九でした。ドラマのBGMとしても、ベートーヴェンの楽曲が頻繁に使われています。
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ルートヴィヒことジョンを演じるのは、デヴィッド・ミッチェル。「ピープ・ショー ボクたち妄想族」ではBAFTAアワード(英アカデミー賞テレビ部門)最優秀コメディ演技賞を受賞した、イギリスの人気コメディ俳優です。
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ジェームズの妻で双子の幼なじみでもあるルーシーを演じるのは、実力派俳優のアンナ・マックスウェル・マーティン。代表作は「マザーランド」「ライン・オブ・デューティ」「連続殺人犯にとりつかれてしまった女ディリア・バルマーの正義」など。BAFTAアワードを含む数多くの賞を受賞しています。
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イギリスの各メディアでは、主演の演技や奇抜なテーマを絶賛。例えば、ガーディアンでは「今年最も面白いテレビ番組」、インディペンデントでは「ほとんど欠点が見当たらない」とまで評されました。
The BBC’s new comedy-mystery about an awkward puzzle-setter and his missing identical twin has made me laugh more than anything else on TV all year. All year!
(引用元:The Guardian)
(訳)BBCの「不器用なパズル作家と行方不明の双子の兄弟」がテーマの新作コメディ・ミステリーは、今年テレビで見たどの作品よりも面白かった。今年一番だ!
Brilliant lead performances, witty set pieces, and cleverly constructed plot twists ensure BBC One’s new puzzle-themed cosy crime series barely puts a foot wrong.
(引用元:The Independent)
(訳)主演のすばらしい演技、ウィットに富んだシーン、巧妙に練られた構成のひねりが相まって、BBC Oneの新しいパズルをテーマにしたコージーミステリーシリーズには、ほとんど欠点が見当たらない。
SNSでも、「まだ2エピソードくらいしか観ていないのに完全にハマった!」「デヴィッド・ミッチェルはこの役を演じるために生まれた」「早くシーズン2を放送してほしい」など賞賛の声が多くあがっています。イギリスで一足早く本ドラマを視聴した筆者もすっかり虜になり、全6話一気見してしまいました。
殺人事件の謎を解くパズル作家、しかも双子の兄のふりをした偽警察官…本当に突拍子もない設定ですが、意外や意外。序盤からグイグイ引き込まれます!
というわけで、ここからは「パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある」の見どころをネタバレなしでご紹介していきたいと思います。
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まず、デヴィッド・ミッチェルが演じるジョンが愛おしい!人気者のジェームズのふりをしようと奮闘して空回りしているものの、本人はいたって真剣です。人との接し方がわからず泣いているルーシーを部屋に置き去りにしてしまう不器用さには、笑いのなかにも切ない感情が入り混じります。ちなみに、デヴィッド・ミッチェルの笑いのスタイルは、皮肉を込めた台詞を真顔で言って笑いを誘う「ドライ・ユーモア」。本ドラマでも、持ち前のドライ・ユーモアがしっかり活かされています。
また、広場恐怖症で最初の事件では容疑者たちの前から逃げ出してしまったジョンが、少しずつ自信をつけていく変化も見どころのひとつです。
アンナ・マックスウェル・マーティンが演じるルーシーは、「連続殺人犯にとりつかれてしまった女ディリア・バルマーの正義」の主役ディリアとはうって変わってコミカルでユーモアたっぷりな女性。ジョンを強引に実家から連れ出して捜査に協力させたり、ジャーナリストのふりをして聞き込みをする行動力や、サバサバした性格には好感を抱かずにはいられません。この2人の会話のテンポが絶妙で、いつまででも飽きずに観続けられられます。
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気負わずに見られるドラマを探している人にもおすすめです。
あまりにも長年外界と関わりがないために、使っている携帯は20年前にルーシーがプレゼントしたノキアのガラケー。パーキングが下手すぎたり、パソコンの電源の消し方がわからなくてコンセントから抜いたり、「ミスタービーンか!」と突っ込みたくなるような笑えるシーンが満載です。
同時に、思わずクスッと肩を揺らすような台詞ややりとりもドラマ全体に散りばめられています。例えば、ジョンとルーシーの何気ないやりとりからもユーモアが感じられます。以下は、いきなり電話をしてきて「今すぐ外で待たせているタクシーに乗ってうちに来て」というルーシーの無茶振りを聞き、ケンブリッジのルーシー宅に到着したジョンとルーシーとの会話。
ルーシー:「あら、荷物が少ないのね」
ジョン:「荷造りする時間がもらえなかったからね!」
こんな調子の皮肉が効いた台詞が多く、イギリスドラマらしさが堪能できる点も魅力的です。
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コージーミステリーながら、謎解きは本格的です。毎回ドラマの後半に関係者を全員集めて推理ショーを披露する、ミステリードラマの定番スタイルもしっかり取り入れています。
ドラマのタイトル通り、すべての殺人事件をパズルの知識を使って解決するのが本ドラマの特徴。基本的にジョンは謎を解くことにしか興味がなく、「誰がやったかがわかればいいのだから、動機なんて重要ではない」というスタンスです。そのため、ミステリードラマでよくあるような事件の背後にあるドロドロした人間関係はほとんど描かれていません。犯人もトリックを暴かれるとあっさり自白して、1話1時間以内でサクッと事件が完結。シンプルに「謎解き」にフォーカスしているので、密室トリックやアリバイ崩しなどの謎解き好きにはうってつけのドラマといえます。
実は、1つだけ筆者の方がジョンより先にトリックを見破った事件がありました。ジョンの華麗な謎解きに圧倒されるもよし。ドラマを観ながら、自分で謎解きに挑戦してみるのもよし。謎解きドラマが好きな人にはぜひ観てほしい作品です。
気楽に観られて、かつ謎解きもしっかり。今回は、最新英国ミステリー「パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある」のイギリスでの反響や見どころをお伝えしました。デヴィッド・ミッチェルとアンナ・マックスウェル・マーティンが主演というだけで「面白くないわけがない」と期待できる本作品。「コージーミステリーは好きだけど、まったりしすぎるのもちょっと」という人も、2人のテンポに引き込まれますよ!
イギリスでの大反響を受けてシーズン2への継続も早々に決定。2025年9月には撮影も開始したとのこと。次はどんなパズルに事件を絡めてくるのか、今から楽しみです。イギリスの視聴者の心を掴んだ新感覚のミステリードラマをぜひチェックしてみてくださいね!
【放送情報】
パズル作家ルートヴィヒ 謎は解くためにある(全6話)
字幕版:10/12(日)夕方4:00 一挙放送
番組公式サイト
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ミステリーチャンネルは、「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのミステリードラマを放送しています。
※ミステリーチャンネルでの放送情報は、番組公式サイト、または、ミステリーチャンネル カスタマーセンターまでお問い合わせください。
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