【さまよう手紙たちの救世主・その名も遺失郵便課（DEAD LETTER OFFICE）！】

『郵便探偵 ロストレターズ・ミステリー』は、配達不能の手紙や小包を届けるために奮闘する郵便局員の活躍を描いた、一風変わったミステリードラマです。宛先も分からない謎だらけの郵便…差出人の想いを抱えたままさまよう手紙たちを、遺失郵便課（DEAD LETTER OFFICE）が救います！

【謎解きのカギは人情にあり！？】

ヒントは手紙に記された差出人の想い。とはいえ、どの手紙も追えば追うほど予想外の展開ばかり！なんとか住所に辿りついても渡す相手が行方不明、というのは日常茶飯事。生きていればいいほうかも…なんて思うことも。愛の行方や親子の確執…手紙には人々の様々な想いがこめられています。DLOは郵便物の謎を追いながら、すれ違った人々の心を繋いでいくことになるのです。

郵便物の内容から差出人の事情を察し「なんとかしなきゃ！」と郵便局を飛び出す4人組。彼らはクセの強いキャラクターながらもとにかく善良、困っていそうな人がいたら放っておけないのです。もし捨て猫なんか見つけたら全力で保護するタイプでしょう。仕事とはいえ依頼されたわけでもないのに、会ったことも無い人たちのためにそこまでやる！？と思うほど献身的に捜査を行うDLOの４人。そんな純粋な彼らの姿を見ていると、とても愛しくなってしまいます。

【個性豊かなDLOのメンバーたちをご紹介！】

誇り高き郵便局員であるDLOは少数精鋭の4人組。ノーマンはGoogleよりも電話帳！リタの瞬発力のある記憶力！などアナログなパワーを見せつけてくれます。

どうにもならないときはシェーンがノートPCを開いて検索をかけたり、時にはハッキングのようなこともやっちゃいます。結局はデジタルの力に頼るのね！と突っ込みを入れたくもなりますがそれもご愛嬌。チームをまとめるオリバーは古風で厳しい ところがありますが、彼の揺るがぬ信念が4人を一つにまとめているのです。

個性豊かな４人のチームプレイは、息がピッタリな時もあれば行き違いだらけな事もあります。とくに本人たちの恋愛が絡むと歯車が噛み合わず、焦らされっぱなし。配達不能の手紙を届けることは出来ても、自分たちの想いはなかなか配達できません。そういうところがまた魅力の一つでもあるんですよね。

2010年代のアメリカを舞台にした作品ながら、日本で言ったら昭和レトロさすら感じるこのドラマ。アナログな手紙を愛するオリバーの信条がそのままドラマに反映されています。紙に文字を書き、切手を貼って投函する…アナログならではの手紙の良さってありますよね。時代錯誤にも思えますが、便利なSNSで簡単に繋がることができる現代だからこそ、手間のかかる手紙でのやりとりが大切に感じられるのではないでしょうか。

【他人を助け、人生を変えるミステリー】

ミステリーと言えば、セックスとバイオレンス！に満ちた刺激的なものが流行っていますが、このドラマは優しさと思いやりに溢れています。かと言って退屈さも無く、登場人物たちの人生模様が波乱万丈なせいか、予想外の展開にぐいぐい引っ張られてしまうのですよね。ほとんどの謎のカギとなるのは「愛」や「思いやり」。生きる上で何が本当に大切なのか…人生の謎を解くヒントを教えてくれるミステリーとも言えるでしょう。配達だけでなく人助けまでするDLOの4人の純粋な想いは、情報過多で疲れた現代人の心を癒してくれます。スマホを置いて、ゆっくり楽しんでいただきたいドラマです。

［絵と文：諏岸（すぎし）]

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