2024/01/31

【読んでおきたい海外ミステリー小説25選】国も時代も超える!定番から話題作まで。

海外ミステリー小説の魅力とは?

古典ミステリーと呼ばれるジャンルも存在するほど、ミステリー小説の歴史は長く親しまれています。名作とよばれるものも多く存在するミステリー小説。アガサ・クリスティーが生み出したエルキュール・ポアロや、アーサー・コナン・ドイルが創作したシャーロック・ホームズなど、ミステリー小説に登場する架空のキャラクターはまるで実在しているかのように愛され続けています。読書の醍醐味はページをめくるだけで物語の世界に入り込めること。本の中だけに止まらないほどの人気者による華麗な推理はもちろん、彼らが生きる世界の文化に触れられるのも海外ミステリー小説の魅力です。

今回は、そんな海外ミステリー小説のおすすめをまとめてご紹介します。

絶対読んでおきたい海外ミステリー小説おすすめ25選

『そして誰もいなくなった』

出版社:早川書房
著者名:アガサ・クリスティー
翻訳:青木久恵

ミステリーの女王、アガサ・クリスティーの代表作であり最高傑作。舞台は絶海の孤島。閉ざされた場所に集められた10人が詩になぞらえて殺されてゆく…。クローズドサークルのミステリー小説のお手本的存在で、1939年に発表された本作は読み継がれ、何度も映像化されています。タイトルに本作のエッセンスを感じるものをはじめ、本作に影響を受けて書かれた作品を挙げたらキリがないほど。タイトルは知っているけれど…という方にこそ読んで欲しいミステリー小説の原点的作品です。

『Xの悲劇』

出版社:東京創元社
著者名:エラリー・クイーン
翻訳:中村有希

アガサ・クリスティー、アーサー・コナン・ドイルと並ぶ世界的ミステリー作家、エラリー・クイーンが生み出した「ドルリー・レーン」シリーズの一作目。ドラマ、映画などさまざまな形態で映像化されること、そして、本作のように数々の翻訳本が出版されていること、そしてシリーズ化されることも人気海外ミステリー小説のバロメーターです。本作で幕を開けるレーン四部作、『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』『レーン最後の事件』は悲劇シリーズ、悲劇四部作などと呼ばれています。ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼されたのは鋭敏な推理力を持つ元俳優のドルリー・レーン。犯人Xを探し出すべく、名探偵が推理と俳優技術の限りを尽くします!

『緋色の研究』

出版社(レーベル):新潮文庫
著者名:コナン・ドイル
翻訳:延原謙

名探偵シャーロック・ホームズのデビュー作です。ヴァイオリンを巧みに奏する天才探偵ホームズと、ちょっと間が抜けて楽天的なワトソン博士という絶妙で最強のバディの物語がここから始まります。第一作目からホームズの超人的な推理力が発揮され、奇怪な事件の犯人とその背景に迫る姿に一気に惹き込まれます。作中に登場する通りの名前や駅名などは、物語の舞台となる1880年代にも実在していたものがあり、現代のロンドンにもホームズ関連の観光スポットは多数存在しています。“シャーロキアン”というホームズを愛してやまない熱狂的ファンを生み出したコナン・ドイルは、長編4編、短編56編のホームズシリーズを書き上げています。まずはシリーズ第一作目となる本作で、シャーロキアンになる要素があるかどうか、確認してみるのもいいかもしれません。

『羊たちの沈黙』

出版社(レーベル):新潮文庫
著者名:トマス・ハリス
翻訳:高見浩

獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁。要員不足に悩むFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生のクラリス・スターリング。彼女は捜査の助言を得るべく、患者を次々と殺害し精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが…。完全に外部から隔離された状態でクラリスからの情報だけで連続殺人犯を追い詰める“プロファイリング”能力、人食い殺人で収監された危険人物でありながら、理知的な紳士の振る舞いを見せるレクター博士にゾクゾクします。

『犯罪』

出版社:東京創元社
著者名:フェルディナント・フォン・シーラッハ
翻訳:酒寄進一

刑事専門の弁護士だったシーラッハが現実の事件から着想し、異様な罪を犯した人間たちの真実を鮮やかに描き上げた11篇からなる連作短篇集。シーラッハが弁護士なので、本当にあった話のように感じ、より一層興味をそそります。淡々とした語り口で描かれるのも本作の大きな魅力のひとつ。また、他のミステリー小説と一線を画すのは、主役の弁護士が謎解きをするわけではないという点。誰が、なぜ、その犯罪を犯してしまったのか。謎解きよりもその理由、ドイツという国の刑法や背景などを考えさせられます。

『バスカヴィル家の犬』

出版社:新潮文庫
著者名:コナン・ドイル
翻訳:延原謙

イギリス南西部の旧家バスカヴィル一族の当主の遺体が発見されたーー。死因は心臓発作。遺体発見現場には巨大な猟犬の足跡が。実は、呪われた魔犬伝説により一族では不可解な最期を遂げた者が多いという。得体の知れない難事件にホームズが挑みます。ホームズの推理力も魅力だけど彼のバディ・ワトスン博士に惹かれるという方には特におすすめ。ホラーな雰囲気の漂うダートムアを舞台に、ワトスン博士がほぼメインでいい味を出しまくっています。ホームズが事件現場に行くと(行かなくても)それだけで「事件解決」という安心感があるのですが、今回はホームズはロンドンに残り、ワトスン博士が事件を追っていくというスタイルなので、謎は少しずつ解決。分かりやすい展開になっているのもおすすめポイントです。と同時にホームズの凄さを改めて確認できる一冊!

『カササギ殺人事件』

出版社:東京創元社
著者名:アンソニー・ホロヴィッツ
翻訳:山田蘭

アガサ・クリスティーへのオマージュ・ミステリーとして人気の高い一冊。1955年7月、しめやかにおこなわれたのはパイ屋敷の家政婦の葬儀。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。彼女の死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていきます。燃やされた肖像画、消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理はーー。「名探偵ポワロ」シリーズのドラマ脚本を手掛けた著者のミステリー小説は、アガサファンにもおすすめ。

『ザリガニの鳴くところ』

出版社:早川書房
著者名:ディーリア・オーエンズ
翻訳:友廣純

2019年、2020年の2年連続アメリカで最も売れた本と呼ばれる一冊。ノースカロライナ州の湿地で見つかった青年の死体。村の人々が疑いの目を向けたのは「湿地の少女」カイア。6歳で家族に見捨てられ、人々に蔑まれながらたった一人湿地で生き抜いてきたカイアは果たして犯人なのかーー。動物学者である著者の視点が描く動物と人間、そして息を飲むほどに美しい自然描写は注目ポイント。ミステリー×社会問題、考えさせられることの多い作品です。

『ガール・オン・ザ・トレイン 上』

出版社:講談社
著者名:ポーラ・ホーキンズ
翻訳:池田真紀子

ロンドンに向かう通勤電車とその車窓から見える家を舞台に起こる犯罪を、バツイチで精神不安定の無職、欲求不満で不倫をしている専業主婦、育児中の既婚という女性三人の独白により描くサイコミステリーで、なんと世界45ヵ国でベストセラーになっています。女性三人が本当のことを言っているのかどうか、信じられるのは誰か。信用できるのは誰なのかと翻弄されながら、並行する三人のストーリーに惹き込まれます。スローペースな展開なので、時系列が行ったり来たりしてもサクサクと読み進められます。

『その女アレックス』

出版社(レーベル):文春文庫
著者名:ピエール・ルメートル
翻訳:橘明美

「おまえが死ぬのを見たい」男はそう言ってアレックスを監禁。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…。しかし、ここまでは序章にすぎず、孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進していきます。イギリス推理作家協会賞受賞のフランス発ミステリー小説です。本作はシリーズ作品の第二弾。シリーズ第二弾となる本作の冒頭で、一作目の盛大なネタバレがあるため、筆者のデビュー作で第一弾の『悲しみのイレーヌ』から読むのがおすすめ。ちなみにシリーズ最終章は『傷らだけのカミーユ』。

『モルグ街の殺人』

レーベル:新潮文庫
著者名:エドガー・アラン・ポー
翻訳:巽孝之

ポーがいなければ、ホームズもポワロも金田一も生まれなかったーー。主人公のオーギュスト・デュパンなる人物が、パリで起きや残虐な母娘殺人事件を、現場・遺体の状況、隣家の聞き込みなどから論理的に分析・検証し事件の真相を明らかにする世界初の推理小説『モルグ街の殺人』を含む後世に多大な影響を与えた天才作家によるミステリの原点、全6編。初の暗号解読小説『黄金虫』や数々のトリックを楽しめる『おまえが犯人だ!』などを生み出したポーは、小説家であり詩人であり、雑誌編集者。その生涯も謎に満ちていて、まさにミステリーを体現した作家といえます。

『薔薇の名前』

出版社:東京創元社
著者名:ウンベルト・エーコ
翻訳:河島英昭

中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の図書館にあるらしいーー。記号論学者エーコがその博学で肉づけした長編歴史ミステリーは、全世界で異例の大ベストセラーとなった話題作です。著者のウンベルト・エーコは哲学者、記号学者としても活躍。散りばめられたエーコの思想や文学感を味わいつつ、作中の修道院たちとともに、怪事件に挑めます。哲学や思想などが絡むので、ちょっと難しそう…と感じたときは映画『薔薇の名前』から入ると分かりやすいかもしれません。

『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』

出版社:早川書房
著者名:スティーグ・ラーソン
翻訳:ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表。しかし、名誉毀損で有罪となり、『ミレニアム』から離れることに。そんな折り、大企業グループの前社長ヘンリックから彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしいという依頼が舞い込む。解決すれば大物実業家を破滅させる証拠を渡すと言われたミカエルだが、ハリエット失踪事件が起きたのはなんと40年前。依頼を受けたミカエルは困難な捜査を開始して…。ミカエルが助手として協力を依頼したドラゴンタトゥーを入れた女性調査員リスベットがとにかく魅力的。

『ストーンサークルの殺人』

出版社:早川書房
著者名:M・W・クレイヴン
翻訳:東野さやか

英国のストーンサークルで続発する焼殺事件。被害者の体にはなぜか停職中の警察官ワシントン・ポーの名が刻みつけられていた。身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし事件は思いがけない展開へと発展して…。事件を追う刑事ワシントン・ポー&驚異的な分析能力を持つティリー・ブラッドショーのバディ感がGOOD!グロテスクな連続殺人事件なども含まれますが、ポー&ブラッドショーのコンビネーションに惹きつけられる。

『白衣の女』

出版社(レーベル):岩波文庫
著者名:ウィルキー・コリンズ
翻訳:中島賢ニ

暑熱去らぬ夏の夜道、「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えた…。1860年の発表と同時に一大ブームを巻き起こし社会現象にまでなったこの作品は、ウィルキー・コリンズの名を不朽のものにした傑作。物語に引き込む巧みな人間描写は見事。全体に漂う不穏な空気に“何が起きるのか…”とワクワクゾクゾク。上・中・下とボリュームのある三巻構成ですが、長さを感じさせない面白さアリ。

『誰の死体?』

出版社:東京創元社
著者名:ドロシー・L・セイヤーズ
翻訳:浅羽莢子

実直な建築家が住むフラットの浴室にある朝出現した見知らぬ男の死体。浴室という場所柄、男は素っ裸で、身につけているものは金縁の鼻眼鏡のみ。一体これは誰の死体なのか? これが初登場となる貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿。クリスティーと並ぶミステリの女王が贈る会心の長編第一作。颯爽と登場したピーター卿。卓抜した謎の魅力とウイットに富む会話で読むものを惹きつけます。1923年発表の作品なので、トリックはもはや目新しいものはないけれど、キャラクターの魅力が今なお色褪せないのはさすがの一言!

『ボーン・コレクター 上』

出版社(レーベル):文春文庫
著者名:ジェフリー・ディーヴァー
翻訳:池田真紀子

ケネディ国際空港からタクシーに乗った出張帰りの男女が忽然と消えた。やがて生き埋めにされた男が発見されたが、地面に突き出た薬指の肉はすっかり削ぎ落とされ、女物の指輪が光っていた。一体、女はどこに…。NY市警が捜査協力を要請したのは科学捜査専門家リンカーン・ライム。四肢麻痺でベッドから一歩も動けない彼が、ハンデをも武器にして真相解明に挑みます。次々と殺人を繰り返す連続殺人鬼ボーン・コレクターが“わざと”残す次の犯行現場の手がかり。天才的な洞察力でその手がかりの解読に挑むライムの姿に惹き込まれます。

『黒後家蜘蛛の会 1』

出版社:東京創元社
著者名:アイザック・アシモフ
翻訳:池央耿

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる<黒後家蜘蛛の会>の晩餐会。月に一回開かれるこの晩餐会では、毎回不思議な謎が出題され、会員たちが素人探偵ぶりを発揮。しかし、いつも真相を言い当てるのは物静かな給仕、ヘンリーで…。SFの巨匠アシモフが著した、安楽椅子探偵ものの歴史に燦然と輝く連作推理短編集。静かに控えるヘンリーが謎を解くという構図も面白いですが、謎解き中はもちろん、謎に入る前に六人の会員が交わす雑談にも面白みを感じます。

『ABC 殺人事件』

出版社:早川書房
著者名:アガサ・クリスティー
翻訳:堀内静子

名探偵エルキュール・ポアロのもとに届いた予告状のとおり、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場に不気味に残されていたのはABC鉄道案内。まもなく、第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺されて…。アルファベット順に犯行を重ねていく犯人の巧妙な策略にポアロはどう立ち向かうのか。クラシックな推理小説、論理パズルのような謎解きが好きな方におすすめです。

『自由研究には向かない殺人』

出版社:東京創元社
著者名:ホリー・ジャクソン
翻訳:服部京子

イギリスの小さな町に住むピップが、大学受験の勉強と並行して取り組んでいたのは“自由研究で得られる資格(EPQ)”。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表。犯人とされている少年と親交のあったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を口実に関係者にインタビューしながら真相を探っていく…。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末にハラハラドキドキ。真実を見極めようとする主人公の真っ直ぐな姿が胸を打ちます。イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリーは爽快感とほろ苦さが味わえます。

『黄色い部屋の謎』

出版社:東京創元社
著者名:ガストン・ルルー
翻訳:平岡敦

フランスを代表する科学者スタンガルソン教授父娘が暮らすグランディエ城の離れの一室で起きた不可解な事件。内側から施錠された完全な密室<黄色い部屋>で発見されたのは血の海に倒れる令嬢マティルド。犯人はどこに消えたのか。18歳の新聞記者ルルタビーユとパリ警視庁警部ラルサンがこの怪事件に挑む。古典は読みづらいかも…と身構えてしまうこともあるけれど、やはり読み継がれる名作は押さえておきたいもの。江戸川乱歩も絶賛した密室ミステリーの古典と呼ばれる本作を手掛けたのは『オペラ座の怪人』の原作者、ガストン・ルルー!

『エンジェルメイカー』

出版社:早川書房
著者名:ニック・ハーカウェイ
翻訳:黒原敏行

大物ギャングだった亡父の跡を継がずに、時計じかけの機械職人として暮らすジョー。しかし謎の機械を修理したことをきっかけに、その平穏な生活は終わりを告げる。百戦錬磨の元スパイ老女、有能きわまりない美女、亡父の知人たち…。個性豊かな仲間とともに、ジョーは世界を覆わんとする陰謀に立ち向かうーー。SF味強めな700ページ超えの読み応えたっぷりのミステリー小説。冒険要素にアクションテイストも加わり、さらにスパイやらマッドサイエンティストに往年のギャングの一味まで出てくる盛り沢山な内容です。クライマックスの爽快感を得られるなら700ページも長く感じません。

『長いお別れ』

出版社:早川書房
著者名:レイモンド・チャンドラー
翻訳:清水俊二

私立探偵フィリップ・マーロウは、ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上がるーー。1954年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。主人公フィリップ・マーロウにハマれば愛してやまない一冊になること間違いなし。人生で一度くらいは言っていたい、カッコよすぎるセリフが散りばめられています。古めかしい表現や言い回し、男の友情物語を楽しみながら、随所に張り巡らされた伏線を見落とさぬようにじっくりと味わいながら、ギムレットを片手に読み進めたいミステリー小説です。

『レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕』

出版社:扶桑社
著者名:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
翻訳:浅倉久志 他

『刑事コロンボ』や『ジェシカおばさんの事件簿』などの推理ドラマで世界を魅了したリチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンクの名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説を集成。郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作『口笛吹いて働こう』、コロンボの原型となった殺人劇『愛しの死体』などを収録。ブラックジョーク多めでクスッと笑える短編集。謎解きよりも犯罪や人物の心理にフィーチャーしています。短編でもしっかりひねりを効かせたオチが待っているので短時間でミステリー小説の醍醐味が味わえます。

『ガラスの橋』

出版社:扶桑社
著者名:ロバート・アーサー
翻訳:小林晋

エドガー賞2度受賞のロバート・アーサーが自薦の短編集。雪に閉ざされた山荘を訪ねていった女性が消えた。屋敷へ入る足跡のみが残された状況での人間消失を描いた、密室ものの秀作として知られる『ガラスの橋』や、老姉妹が、これまで読んできた千冊以上の推理小説の知識を武器に、犯罪者たちに戦いを挑む痛快な冒険譚『極悪と老嬢』などを収録。あとがきに作者による解説がついているのもうれしいポイント。1930年代から60年代の作品には古き良き感が漂い、どこか小洒落た雰囲気も感じられます。さまざまなトリックの原型も楽しめます。

最後に

新刊が続々と発売されている海外ミステリー小説。読み継がれる古典、名作だけでなく、新しいヒット作も生まれ続けているジャンルです。謎解きはもちろん、さまざまな国の文化や歴史などを知ることができるのも海外ミステリー小説の魅力。国、時代ならではの謎解きを楽しんで、海外ミステリー小説の沼にハマっちゃいましょう。

ミステリーチャンネルでは、話題の原作の映像化作品「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」2月に放送予定。このドラマの原作である『Three Pines(原題)』は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー1位に輝き、シリーズ17作が、日本を含め全世界600万部以上販売されている人気ミステリー小説です。原作者であるルーズ・ペニー氏は、カナダでジャーナリストとして活躍したのち、処女作である『スリー・パインズ村の不思議な事件』で、CWA賞最優秀処女長編賞をはじめとする数々の賞を受賞しました。小説と合わせてドラマ版もお楽しみください。

【ミステリーチャンネル放送情報】
●ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿
字幕版:2/17(土)夜10:05スタート

「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」番組公式サイト

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タナカシノブ
紹介文:2015年9月よりフリーライターとして活動中。映画、ライブ、歌舞伎、落語、美術館にふらりと行くのが好き。