カナダの郊外に位置する小さな集落「スリー・パインズ村」で起きる殺人事件に、温厚で頭脳明晰なガマシュ警部が挑む新作ドラマがAXNミステリーにて独占日本初放送!閉鎖的な村を舞台に繰り広げられる推理劇と、現代のカナダが抱えている社会問題を丁寧に織り交ぜた上質な刑事ドラマです。今回は、そんな本作を見る前に抑えておきたいポイントをまとめてみました。
このドラマの原作である『Three Pines(原題)』は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー1位に輝き、シリーズ17作が、日本を含め全世界600万部以上販売されている人気ミステリー小説です。原作者であるルーズ・ペニー氏は、カナダでジャーナリストとして活躍したのち、処女作である『スリー・パインズ村の不思議な事件』で、CWA賞最優秀処女長編賞をはじめとする数々の賞を受賞しました。
そんな彼女が生み出した愛すべきキャラクター、アルマン・ガマシュ警部は、2021年にワシントン・ポスト紙が実施した投票で、なんとエルキュール・ポワロ、シャーロック・ホームズといった圧巻の顔ぶれをおさえて“最も愛されているフィクション探偵”に選ばれるほどの人気ぶり!世界中のミステリーファンから熱い視線を注がれている、今注目の人気シリーズなのです。
「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」 5月7日(日)AXNミステリー独占日本初放送!
加入月0円でミステリードラマが見放題!
ドラマ版の制作を担っているのは、あの『ザ・クラウン』を手掛けたレフト・バンク・ピクチャーズ。動乱の時代の中で生きる英国王室の姿をドラマチックに描く『ザ・クラウン』は、2021年にはゴールデン・グローブ賞とエミー賞のW受賞を果たしました。
ドラマの舞台となるのは、カナダ郊外にある美しい村スリー・パインズ。美しい松の森に囲まれ、すぐそばには先住民の暮らすコミュニティも点在する、素敵な田舎です。
ところがそんな素敵なこの村で、悲惨な事件が発生します。捜査のために派遣されたベテラン警部のアルマン・ガマシュは、忠実な部下を引き連れてこの田舎町の片隅に捜査本部を置くことに。一見のどかで平穏そのものに見えるスリー・パインズ村ですが、住民たちはよそ者に心を開かず、事件についても口を閉ざすばかり。ガマシュ警部は、わずかな会話から糸口を見つけ、粘り強い捜査で真相を探っていきます。
ドラマ本編では、スリー・パインズ村でのガマシュ警部の事件捜査と並行して、全編を通して、幼子を家族の元に残して消息を絶ったカナダ先住民の若い女性「ブルー・トゥーリバーズ」の事件が描かれています。
カナダには、1876年に施行されたインディアン法に基づき、先住民儀礼の禁止や寄宿学校制度の導入をはじめとする同化政策がとられていたという歴史があります。
2008年にはスティーヴン・ハーバー首相(当時)が元インディアン寄宿学校生への公式謝罪を発表し、さらに2022年にはローマ教皇フランシスコがカナダ最大の寄宿学校があった跡地を訪れ、謝罪を行いました。これは、当時カトリック教会運営の寄宿学校で子供たちへの虐待があった事実が明らかになったことを受けてのものでした。
「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」 5月7日(日)AXNミステリー独占日本初放送!
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このドラマでは、カナダ先住民のコミュニティを尊重しながら、彼らの現状について非常に丁寧に描かれています。愛する存在を失い悲しみと怒りで震える家族のために、事件の捜査と並行して、この「ブルー」という女性の捜索に取り組むガマシュ警部。捜査の末に明らかになっていく失踪事件の真相とは……。ドラマ全体を支える骨のような、重みのある大切なストーリーですので、ぜひ最後まで固唾をのんで見守っていただきたいです。
本作の主人公アルマン・ガマシュ警部を演じるのは、アルフレッド・モリナです。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、スパイダーマンの宿敵の一人であるドクター・オクトパス役で再登場を果たしました。2004年公開のトビー・マグワイアがスパイダーマンを演じた『スパイダーマン2』以来ということでしたので、驚いた方も多かったのではないでしょうか。
『ショコラ』(2000)や『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)をはじめとするヒット映画への出演も多いほか、ハリウッド史に残る伝説のライバル関係にあった二人の女優の確執を描いたドラマ『フュード/確執 ベティ vs ジョーン』(2017)では、2017年のエミー賞では優秀助演男優賞にノミネートされています。
ハリウッドのイメージが強い彼ですが、舞台俳優としての活動も長く、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーやロイヤル・ナショナル・シアターといった由緒ある舞台で活躍してきました。
そんなアルフレッド・モリナが演じるガマシュ警部。警察署でも人望のあるベテランであり、愛妻家で、深い洞察力と知識を携えた安定感のある人物として登場します。立派な体格に見合うスーツを着込み、大きな黒縁メガネをかけたガマシュ警部は、柔和な態度と鋭い観察眼を使いこなして、住民たちの固く閉ざされた口を少しずつ滑らかにしていきます。
住民たちが親切に見えようとも、そこに潜む悪意を見逃さない警部。殺人事件が起きてしまった以上、何かが潜んでいるのは間違いありません。
しかしそれと同時に、彼は凶行に走ってしまった人の心をすくい上げるために言葉を尽くすことも忘れません。
このドラマは2エピソードで1つの事件の始まりから解決までを描いています。またドラマの中ではエピソードごとに季節も巡ります。第一話はクリスマスから始まり、最終話では秋が訪れる、という時間の流れの中で、数々の痛ましい事件が起き、そのたびにガマシュ警部はこのスリー・パインズ村へと呼び戻されることになります。
このドラマの主人公であるガマシュ警部は、2021年にワシントン・ポスト紙が実施した人気投票で、世界中のミステリーファンが見つめる中、“最も愛されているフィクション探偵”に選ばれました。どんなに悲惨な事件であっても、彼が登場することで、事件の被害者も、その家族も、そして読者も、希望を感じられるような魅力あるキャラクターだったからだと思います。
「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」 5月7日(日)AXNミステリー独占日本初放送!
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ドラマでも、もちろんその魅力が余すことなく描かれています。本作はメッセージ性も強く、シリアスな展開も多いですが、親しみやすく安定感のあるガマシュ警部の存在は心強いはずです。気が付けば、今見終わったばかりなのにもう次のエピソードのことが気になっている自分がいるかもしれません。私のように。
物語全体に関わる大きな謎(ブルーはどこへ行ったのか?)もさることながら、それぞれの事件もかなり入り組んでいて、なかなか最後まで真相が掴めない骨太なクライム・サスペンスです。アガサ・クリスティー作品のような謎解きを楽しめる安定感のある作品でありながら、どこか『ファーゴ』や『ブロードチャーチ~殺意の町~』『トップ・オブ・ザ・レイク』などを彷彿とさせる、独特な世界観を持っています。
ガマシュ警部の魅力あふれるキャラクターについては今回かなり語ってしまいましたが、「なんかこの感じ、覚えがあるぞ」と筆者は思い出しました。そう、『刑事フォイル』を見ている時の安心感に相通じるものがあるのです。第二次世界大戦下という非常事態の中、人々の日常を守るために正義を求め続けたフォイル警部。彼と同じく、混乱し、思わず感情を揺さぶられるような状況の中でも正義を追求する手を緩めないガマシュ警部ですので、同作にハマった方は必見です!
原作ファンはもちろん、解くべき謎は多ければ多いほど燃える、という方に非常におすすめしたい作品ですので、気になる方はぜひチェックしてください!
[文:瀧脇まる(うりまる)]
【放送情報】
「ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿」(全8話)
字幕版: 5月7日(日)夕方4:00
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