第20話 周新(しゅう・しん)は、食卓の場で、思きと小扣子(しょうこうし)には都にいる妻の世話を任せたいと断言した。傅玉堂(ふ・ぎょくどう)の事件に関わった者が次々と死んでいく今、2人に累が及ぶのを恐れたのだ。もちろん、この命令に納得できるはずもない。思きは、自分を杭州から追い払おうとする周新の目をまっすぐに見つめて言った。“今生の思きは命ある限り、周様の護衛。誰にも邪魔はさせない”と…。