第40話 処刑が明日に迫った周新(しゅう・しん)は、紀綱(き・こう)と差し向かいで酒を酌み交わした。長い間続いた2人の争いは周新の死を持って幕引きとなる。己の勝利に酔いしれながら、滔々と昔話を語る紀綱。この先も野心と欲望の赴くままに悪事を重ねるであろう彼の言葉を制した周新は、法の網からは決して逃れられないと警告すると同時に、例え自分が死んでも、この勝負を引き継ぐ者が必ず現れると言い放つのだった…。