2011年から続く『ヴェラ~信念の女警部~』が、惜しまれながらもついにシーズン14で完結します。
前回、最終シリーズ撮影秘話と作品への想いを語っていただいたお二人のインタビューをご紹介しました。今回は、そのインタビュー記事の中ではご紹介できなかった部分をご紹介します!
ブレンダが女優になったきっかけや、撮影中のハプニングについてもお話いただいていますのでぜひご覧ください!
---14シーズン中、どのくらいのコートと帽子を着倒したんでしょうか。
ブレンダ「何着か用意してあったわ。例えば海辺のシーンで、コートに泥がかかってしまうと、リテイクする場合は新しいコートを着なくてはならない。だから交換して着ることができるために何着も用意してあった。でも、当初あの帽子はひとつしかなかったの。あるとき、帽子を着用して撮影した後、何かの理由で撮影がストップし、また始めようというときに帽子がどこにも見つからなくて。きっと私がどこかに置いてしまったのね(笑)。その後、スペアの帽子を用意して……もしかしたら作り直したのかもしれない。あのタイプの帽子はなかなか見つからないの(笑)」
© ITV Studios Limited 2024
アン「今ではニューカッスルの日曜日のストリートマーケットで、似たような帽子を売っている。“ヴェラ・ハット”という名前でね(笑)」
ブレンダ 「友達のひとりが教えてくれたんだけど、イタリアのトリノで、ブティックのショーウィンドーにヴェラにそっくりの帽子とコートが飾ってあったそうで写真を送ってくれた。まったく同じなの!(笑)」
アン「私はヒースロー空港のプラダで、同じような帽子を見た(笑)」
ブレンダ「数年前に『グレアム・ノートン・ショー』に出演したときにその写真を紹介したわ」
---最終シリーズの撮影が終わって、帽子は引き取りましたか。
ブレンダ 「ええ、ときどきヴェラの格好をしてチャリティ・イベントに参加することがあるから。北東部で“Sunday for Sammy“という大規模なチャリティ・イベントがあるんだけど、数年前にTVシリーズの刑事たちが出演する企画があり、ヴェラの帽子とコートを着てスタジアムに登場したら、屋根が落っこちるんじゃないかと思うくらいの歓声があがった。素晴らしかったわ!」
---おふたりがキャリアをスタートした頃は何を達成したいと思っていましたか?
ブレンダ 「女優になったのは偶然なの。演劇学校に通う前は、ブリティッシュレール(注・英国の国鉄)で10年間秘書として働いていた。知人の女性がアマチュア劇団に入っていて、“週末にマンチェスターのコンクールにエントリーしたんだけど、メンバーのひとりが急病になってしまって、お願いだから代わりに出てくれない?セリフはひとつだけだから”と言われて、彼女を助けるつもりで出演したの。実際にやってみたら、すごく楽しくて!衣装を用意する人がいて、背景の絵を描く人がいて、照明を調整する人がいて、チケットを販売する人がいる。いろいろな異なる才能を持つ人々が集まって芝居を作りあげるということに魅力を感じて、グループに参加することにしたの。ロンドンに戻った後、リージェンツパークにあるルドルフ・シュタイナー・ハウスの劇場で芝居を行った。私はいつも年齢より若く見られるんだけど、当時も30代くらいだったのに見かけは10代だったから若い役を得た。やればやるほど演技も上手くなって、舞台で芝居することが大好きになった。周りの人から、“プロの女優になれるんじゃない?“って言われたけど、“この恵まれた職を辞めて、趣味を仕事にするなんて、馬鹿を言わないで“って返事していた。でも多くの人から言われたら、“女優になるのもアリなんじゃないか。自分が大好きなことだし“って思うようになって。それで内緒で演劇学校に応募してみたら、合格してびっくりだった。私の目標は、単に舞台で芝居をすることで、テレビや映画の仕事をすることは考えてもなかった。それはちゃんとした俳優がすることで、私は演劇学校に通っているブレンダに過ぎなかった。自分自身、自分が俳優であるとは思っていなくて、私はただ“演技をする人“だったの(笑)」
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アン「私の野望は、生活費を稼ぐためにしていた仕事を辞めることだった。20年間実現できなくて、本を出版した後でも、パートの仕事を続けていた。ここまでくるには、それだけ長くかかった。それから、もっと良い本を書くという野望もあったわ」
ブレンダ「アン、『Vera』シリーズの前に書いていた本にシリーズものはあるの?」
アン「ええ、最初のシリーズ(注・『George Palmer-Jones』シリーズ)は、定年退職した自然主義者のアマチュア探偵が、自然保護区の島で起きた事件を解決するというもの。私の夫はRSPC(注・動物愛護の慈善団体)で働いていたので、そこからアイデアを得たわ。次のシリーズ『Inspector Ramsay』は、その頃初めてノーサーバンバーランドに引っ越したこともあって、舞台はイングランド北東部になっている。初期の作品が再販されたり増刷されたりして、みなさんが楽しんでくれるのは素晴らしいことだわ」
---今後、ヴェラのシリーズを執筆する際にも、ブレンダの顔を思い浮かべますか?
アン「そうね、執筆の際にキャラクターの顔を思い浮かべることはないけど、会話などでブレンダの声が聞こえてくるのは確かね」
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---撮影中に起こった面白い出来事を教えてください。
ブレンダ 「ファンフェア(移動遊園地)のシーンを撮影したとき、監督はファンフェアの中を突っ切って犯人を追うというシーンを撮影しようとして、時間をかけて準備をし、全員が正しい場所にいるように調整したのね。そのシーンの最後に公衆トイレの前を通りすぎるんだけど、リハーサルを何回も繰り返して、いざ本番となって、もう少しで終わりというときに、その公衆トイレから老婦人がでてきて、いきなり私に向かって、“あらヴェラじゃない、大ファンなの!“って(笑)。撮影中なのにまったく気が付かず、話しかけてきたのよ」
---『ヴェラ』の撮影が終わって、何をしていますか。
ブレンダ 「仕事を辞めたわけではなくて、ヴェラの撮影後にすでに映画の一本に出演したわ。おそらく『Dragonfly』というタイトルになる予定。ヴェラの撮影後すぐにオファーがきて、来週から撮影が始まるとエージェントに聞いて。まだ北東部から戻って荷解きもしてないのにと思ったけど、アンドレア・ライズバラも出演するということで、脚本を読んでみたら、とても良かったので、そのまま受けることにした」
---ミステリー小説を読むとき、誰が犯人かを推理しながら読みますか?
アン「私はしない。最後にサプライズがあるほうが面白いから」
ブレンダ「小説ではないけど、脚本を読みながら、私が推理して脚本家に誰が犯人と思うかを伝えて、その結果でストーリーを調整するということあったわ」
---現実世界で刑事だったとしたら、良い刑事になると思いますか?
ブレンダ「そうね、良い刑事になれると思う」
アン「あなたはなれると思うわ」
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【放送情報】
●ヴェラ~信念の女警部~(シーズン14)(全2話)
字幕版:5/10(土)夕方4:00 一挙放送
シーズン14でも、前シーズンで約10年ぶりの復帰を果たしたデヴィッド・レオン演じるジョー・アシュワース刑事が引き続き出演!さらに「オックスフォードミステリー ルイス警部」のケヴィン・ウェイトリー他、豪華ゲストがファイナルを飾る!
●ヴェラ~信念の女警部~(シーズン1~13)(全54話)
字幕版:5/3(土・祝)朝6:00スタート~5/7(水) 一挙放送
●お疲れ様!わが友ヴェラ~14年の歴史を振り返る(全1話)
字幕版:5/10(土)夜7:30
ブレンダ・ブレシンが「ヴェラ~信念の女警部~」の14年間を振り返る特別ドキュメンタリー。
多くの人々に愛された刑事ドラマの舞台裏に潜入し、14年間もの間変わらぬ人気を保っている理由を紐解いていく。ヴェラの生みの親である作家アン・クリーヴスのインタビューも収録。
※ミステリーチャンネルでの放送情報は、番組公式サイト、または、ミステリーチャンネル カスタマーセンターまでお問い合わせください。
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世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!
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