2024/03/31

【ミステリードラマで活躍する英国俳優まとめ】ドラマでよく見るあの人の活躍をチェック!

今回は、ミステリーチャンネルで放送中&放送予定の作品で主演を務める英国出身の俳優を作品ごとにまとめてみました。人気ドラマの主役を務めると、視聴者にとっては「あのドラマのあの人!」というイメージが強くなりがちですが、ぜひほかの作品での活躍もチェックしてみてほしい!という思いをこめて日本でも視聴可能な作品を中心に紹介していきます。新たな作品開拓のきっかけにしていただけたら嬉しいです。

英国俳優の魅力とは?

数ある海外ドラマの中でも「英国ドラマ」という独自のジャンルが確立されるほどの人気を誇るイギリスのドラマ。脚本、監督、撮影技法などその魅力は多岐にわたりますが、やはりドラマを語るうえで欠かせないのが俳優の存在です。その圧倒的な演技力と他の追随を許さない迫力で、恐るべき悪役からひょうきんなお調子者、正統派の主人公からダークヒーローまで…幅広い役柄で特に異彩を放っているのがイギリス出身の俳優たちです。ドラマのイメージとはまた異なる役柄に挑戦してきた方も多いので、ぜひ気になる俳優さんの情報をチェックしてみてください。

デビッド・スーシェ(『名探偵ポワロ』)

トップバッターはこの方、『名探偵ポワロ』のデビッド・スーシェです。『名探偵ポワロ』の放送開始は1989年ですが、それ以前から活躍しており『アイアン・イーグル』(1986)や『ハリーとヘンダスン一家』(1987)、『ワールド・アパート』(1988)など多くの映画にも出演しています。

近年は、チャールズ・ディケンズの長編小説を映像化した『大いなる遺産』(2011)や、大手新聞とタブロイド紙による新聞業界での熾烈な戦いを描いた『ブレス 事件と欲望の現場』(2018)に出演。『マルロー警部のフランスさすらい事件簿』(2014-)にもゲスト出演していますね。フィリップ・プルマンによる児童小説『ライラの冒険』を原作にしたHBOのドラマシリーズ『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』(2019-2022)にも声優として出演しています!

「名探偵ポワロ」番組公式サイト

ベン・ミラー(『ミステリー in パラダイス」』/『テンペスト教授の犯罪分析ノート』)

大人気シリーズ『ミステリー in パラダイス』のシーズン1~2まで主人公リチャード・プール警部を演じていたベン・ミラー。太陽が降り注ぐカリブ海の地であっても絶対にスーツを脱がないイギリス人刑事…という強烈な個性が輝く主人公でした。『テンペスト教授の犯罪分析ノート』では潔癖症の大学教授役で主演を務めています。

これらの役からは想像が難しいですが、実はコメディアンでもあるベン・ミラー。ローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ』シリーズではでたらめスパイのジョニー・イングリッシュの部下ボフとして出演しています。

2007年から2012年にかけて制作されたSFシリーズ『プライミーバル』や、ネットフリックス配信の英国ドラマ『ブリジャートン家』シーズン1にレギュラー出演。ジェラルディン・マクイーワン版『ミス・マープル』第一話「書斎の死体」では、村のお騒がせ芸術家バジル・ブレイク役でゲスト出演していました。

●テンペスト教授の犯罪分析ノート(シーズン1・全6話)
字幕版:5/13(月)夕方4:00スタート

「テンペスト教授の犯罪分析ノート」番組公式サイト

エイドリアン・スカーボロー(『警部補アーノルド~チェルシー捜査ファイル』)

『警部補アーノルド~チェルシー捜査ファイル』では、父を亡くし、妻とも離婚ホヤホヤという災難続きの警部補マックス・アーノルドを演じているエイドリアン・スカーボロー。

イギリスで最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞の受賞経験を持ち、『レ・ミゼラブル』(2012)や『1917 命をかけた伝令』(2019)など大きく話題になった映画にも出演しています。

おなじみの作品へのゲスト出演も多く、『ニュー・トリックス~退職デカの事件簿~』シーズン4や『ミステリー in パラダイス』シーズン3、『ブラウン神父』シーズン3、『バーナビー警部』には合計3回もゲスト出演しています(しかもすべて違う役で)!ローワン・アトキンソン主演の『メグレ警視』シーズン2第2話にもゲスト出演していました。

●警部補アーノルド~チェルシー捜査ファイル(シーズン2・全8話)
字幕版:4/13(土)午後3:00 一挙放送《独占日本初放送》
シーズン1も同日朝6:00スタート

「警部補アーノルド~チェルシー捜査ファイル」番組公式サイト

ニール・ダッジェオン(『もう一人のバーナビー警部』)

14年にわたって主演を務めたトム・バーナビー役のジョン・ネトルズに代わり、『もう一人のバーナビー警部』の主演を務めることとなったニール・ダッジェオン。トムの従弟で同じく警部の職に就いているジョン・バーナビー役で第75話「ギヨームの剣」、第81話「安らぎのスパ殺人」にゲスト出演。その後同シリーズの主演を引き継ぐ形となりました。

『フロスト警部』第6話「秘められし罪」や、『主任警部モース』第29話「森を抜ける道」にゲスト出演しているほか、ルパート・エヴェレットがホームズ役を務めたテレビ映画『シャーロック・ホームズ 淑女殺人事件』(2004)では、レストレード警部役で出演していました。

   

●もう一人のバーナビー警部(新エピソード 第52話~第55話・全4話)
字幕版:4/20(土)夕方4:00 一挙放送《独占日本初放送》

「もう一人のバーナビー警部」番組公式サイト

ブレンダ・ブレシン(『ヴェラ~信念の女警部~』)

2011年の放送開始以来根強い人気によってファンを獲得し続け、本国イギリスでは最新シーズン13の放送もスタートしている『ヴェラ~信念の女警部~』。OBE(大英帝国勲章)の称号を持つブレンダ・ブレシンが、職務に情熱を捧げ、自分にも他人にも厳しい仕事人間ヴェラを演じています。

1996年公開の映画『秘密と嘘』では、自分の娘だと名乗る女性との出会いをきっかけに過去の秘密と嘘に向き合っていく女性シンシアを演じ、翌年のアカデミー主演女優賞にノミネートされました。1998年公開のミュージカル映画『リトル・ヴォイス』では、父親を失った悲しみから立ち直れない娘につらく当たる酒浸りの母親役でアカデミー助演女優賞にノミネート!そしてキーラ・ナイトレイ主演の映画『プライドと偏見』(2005)では、娘たちの将来を心配するしっかり者の母親を演じました。 

●ヴェラ~信念の女警部~(シーズン13・全3話)
字幕版:5/12(日)夕方4:00 一挙放送《独占日本初放送》
★新シーズン放送前に、シーズン1~12も放送 4/8(月)午前11:00スタート

「ヴェラ~信念の女警部~」番組公式サイト

ダグラス・ヘンシュオール(『シェトランド』)

スコットランド北部に位置するシェトランド諸島で起こるさまざまな犯罪にジミー・ペレス警部とその部下たちが立ち向かう姿を描いた『シェトランド』。放送開始から約10年にわたって主演を務めてきたダグラス・ヘンシュオールですが、シーズン6をもってシリーズを卒業することが決まりましたね。ちょっと寂しいですが長くシリーズを観てきた筆者にとっては、「もうそろそろペレス警部は休んでもいいんじゃないか?」と思うぐらいに苦労人のイメージでした。

ダグラス・ヘンシュオールといえば、SFドラマ『プライミーバル』ではシーズン1から3にかけて主演を務めていました。1997年のアカデミー衣装デザイン賞にノミネートされた映画『エンジェル&インセクト/背徳の館』(1995)や、オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』を原作としたファンタジー・ホラー映画『ドリアン・グレイ』(2009)などに出演。『オックスフォードミステリー ルイス警部』シーズン5第3話「心の闇」にもゲスト出演していますね。

気になる最近の活躍ですが、2023年12月にBBC Oneで放送されたばかりのアガサ・クリスティの小説『殺人は容易だ』を原作とした新作ドラマ『Murder Is Easy(原題)』にも出演しています! 

●シェトランド(シーズン7・全3話)
字幕版:5/26(日)夕方4:00 一挙放送
★新シーズン放送前に、シーズン1~6も放送:5/11、18、25(土) 毎週土曜夕方4:00

「シェトランド」番組公式サイト

マーク・ウィリアムズ(『ブラウン神父』)

G・K・チェスタトンの本格推理小説を原作にした大人気シリーズ『ブラウン神父』。イギリス・コッツウォルズにある小さな村を舞台に、村のあちこちで起こる様々な事件をブラウン神父が深い洞察力と推理力、そして聖職者ならではの厳しくも人の心に寄り添い続ける真摯な姿勢で解決に導いていきます。柔和な顔つきに好奇心旺盛な性格と、原作のイメージそのまま(やや背は高いですが)のブラウン神父を演じているのは、マーク・ウィリアムズ。

『ハリー・ポッター』シリーズのロンおじさんのイメージが強い方も多いのでは?『ミス・マープル』シーズン4第4話「なぜエヴァンスに頼まなかったのか?」や、『孤高の警部ジョージ・ジェントリー』『ニュー・トリックス~退職デカの事件簿~』など多くのドラマにゲスト出演しており、2021年放送の『もう一人のバーナビー警部』(第46話)にも出演しています!2024年現在も、すでに3作品への出演がアナウンスされており、ほかの作品でも彼の活躍を楽しむことができそうですね。

 

●ブラウン神父(シーズン11・全10話)
字幕版:5/6(月・振休)夕方4:00 一挙放送《独占日本初放送》

「ブラウン神父」番組公式サイト

アルフレッド・モリナ(『ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿』)

カナダの小さな集落スリー・パインズ村で起きる連続殺人事件に立ち向かうガマシュ警部の活躍を描いた『ガマシュ警部 スリー・パインズ村の事件簿』。カナダの推理作家ルイーズ・ペニーのベストセラー小説を映像化した作品であり、過去にカナダで起きた先住民への虐待事件をテーマに扱い、痛みすら覚えるほどのリアリティで欧米を中心に高い評価を獲得しました。ガマシュ警部を演じたのはアルフレッド・モリナ。

トビー・マグワイアがピーター・パーカーを演じた『スパイダーマン2』(2004)に登場したヴィラン、ドクター・オクトパス役でご存じの方も多いのではないでしょうか?2021年公開の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でまさかの再登場を果たし当時からのファンを驚かせました。

2010年に制作された大ヒットシリーズのスピンオフドラマ『LAW & ORDER: LA』では検察官のひとりとしてレギュラー出演。『名探偵モンク』シーズン6第3話「恐怖のヌーディスト」にもゲスト出演しています!

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バーティ・カーヴェル(『刑事ダルグリッシュ』)

1970年代のイギリスを舞台に、詩人としても活躍するロンドン警視庁犯罪捜査課のダルグリッシュ警部が難事件解決に挑む『刑事ダルグリッシュ』。イギリスを代表する推理作家のひとり、P・D・ジェイムズが手掛けた長編小説を映像化した作品であり、主人公ダルグリッシュ警部を演じるのはバーティ・カーヴェル。ローレンス・オリヴィエ賞を2度受賞という快挙を成し遂げたその演技で、苦悩しながらも刑事としての責務に向き合う繊細な主人公を演じています。

英国ドラマ好きな方にとっては、『女医フォスター』に登場した浮気夫のイメージが強いでしょうか?あのドラマは女性も男性も強烈なキャラクターばかりでしたので、印象に残っている方も多いかもしれませんね。スザンナ・クラークのファンタジー小説を原作としたBBCのドラマ『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』(2015)では主演を務め、『ザ・クラウン』シーズン5からは第73代イギリス首相トニー・ブレア役で出演しています!

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ジョン・シム(『警視グレイス』)

イギリスの作家ピーター・ジェイムズ原作の「ロイ・グレイス」シリーズを映像化した『警視グレイス』。最愛の妻の失踪によって深い心の傷を負い、それ以来仕事に身を捧げる日々を送る主人公グレイス警視を、ジョン・シムが演じています。

『ヒューマン・トラフィック』(1999)や『24アワー・パーティー・ピープル』(2002)、英国アカデミー賞8部門受賞の二部構成ドラマ『セックス・トラフィック』(2004)に出演。

その後、2006年から2007年にかけてBBCで放送された『時空警察1973 ライフ・オン・マーズ』や、久しぶりの再会を喜ぶ暇もなくリゾート地でとんでもない事件に巻き込まれていく男たちを描いた『MAD DOG マジョルカの罠』(2011-2013)、香港を舞台にしたクライム・サスペンス『ホワイト・ドラゴン』(2018)など数多くの作品で主演を務めています。ネットフリックスで配信中の『コラテラル 真実の行方』(2018)にも出演していますよ。

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ジェームズ・ネスビット(『ブランニック警部~非情の大地』)

北アイルランドとイギリスの現代史に深く切り込んだ社会派ドラマ『ブランニック警部~非常の大地』。さまざまな妨害に遭いながらも真実を追い求めて戦うブランニック警部を演じるのは、ジェームズ・ネスビット。

映画『ホビット』シリーズに登場したドワーフのボフール役で知られています(え!まさか、マーティン・フリーマン演じるビルボとともに旅をした13人のドワーフの見分けがつかないなんてことは…ないですよね?)。黒い立派な髭に横に伸ばした三つ編み、変わった形の帽子をかぶり、日本語吹き替えを平田広明さんが担当しているのがボフールです。

海外ドラマ好きな方にとっては、『脳外科医モンロー』(2011)や『ザ・ミッシング ~消えた少年~』(2014-2016)、現在アクションチャンネルで放送中の『スタン・リーのラッキーマン』でおなじみかもしれませんね。2021年にネットフリックスで配信されたドラマ『ステイ・クロース』にも出演しています!

「ブランニック警部~非情の大地」番組公式サイト

最後に

お気に入りのドラマで主役を務めるあの人が、ほかの作品ではどんな役を演じているのか気になることはないでしょうか?今回は名作から新作までミステリードラマの主演を務める彼らの気になるほかの出演作をまとめてみました。びっくりするほどベテランの方も多いので、日本上陸作品もたくさんありましたね。筆者は、ドラマ人気から俳優さんへの人気につながり、その出演作がどんどん日本に上陸してくる…という流れを常に期待しているタイプの人間です。いろんなキャストのほかの出演作を知ってほしい!と隙あらば紹介するチャンスをうかがっていたので、今回の記事が少しでも作品探しのお役に立てたならうれしいです。

(文:うりまる)

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うりまる
2017年ごろから海外ドラマ・映画について執筆中。ミステリー作品ならなんでも好きですが、特にまったりとした(COZYな)ミステリーが好きです。