1959年、旧ソ連で発生して以降現在に至るまで、世界中で物議を醸している“世界一不気味な遭難事件”。その真相に迫ったミステリー!
発生から60年以上たった現在に至るまで、世界中のオカルトマニアが注目してきた、“世界一不気味な遭難事件”「ディアトロフ峠事件」。
1959年、9人の登山家が雪山で変死を遂げた。当時、謎を残したまま捜査は打ち切られたが、その後、雪崩説、秘密の軍事実験説、雪男襲撃説、UFO説など、60年以上経過した現在に至るまで様々な説がささやかれた。ロシア当局では国家機密として扱われていたが、2019年に再調査していることを明らかにした。検察は75種類の説について調査し、幻想的な説は一蹴し、殺人説も排除、主に雪崩によるものと発表した。しかし、雪崩が発生した記録がなく、その後も物議を醸したが、2021年にあの“アナ雪”が事件解明のヒントになったという説が学術誌で発表され話題となった。これまでも映像化されているが、本作は2020年の作品である。
1959年、イーゴリ・ディアトロフが率いるウラル工科大学の学生と卒業生からなるグループ総勢9名がウラル山脈の山に登るため出発した。しかし、一行は予定日になっても戻らなかったため捜査が開始されたが、全員変死体となって発見された。彼らのテントは内側から切り開かれていたり、極寒であったにも関わず薄着だったり、また、眼球や舌がない遺体もあり、多くの謎が残った。彼らは誰から、または何から逃げたのか?何故彼らは死んでしまったのか?
本作は、奇数エピソード(カラー映像)では、架空の人物であるKGBのコスチン少佐を中心とした事件発覚後の捜査が描かれており、偶数エピソード(モノクロ映像)では、ディアトロフ隊が雪山へ出発するところから事件に遭遇するまでの過程が克明に描かれる。実際の遺品から発見された日記や写真を参考に描かれているため、真実味があり、まるで事件を目撃しているような感覚に襲われる。
また、主人公コスチン少佐は第二次世界大戦で過酷なドイツ戦を生き抜いた元兵士という設定になっており、彼の戦争体験と人間ドラマが、ディアトロフ峠事件の真相に加えて描かれる重厚なドラマシリーズである。
※本作品は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以前にミステリーチャンネル(旧AXNミステリー)で初回放送
制作:2020年/配給:ドイツ/尺:約60~70分×全8話/字幕版・原語:ロシア語 原題:Dead Mountain
監督:ヴァレリー・ヒョードロヴィッチ ほか
出演:ピョートル・フョードロフ(コスチン少佐)、マリヤ・ルゴヴァヤ(カーチャ・シュマノバ)、マクシム・コストロミキン(ユーリ・ユーディン)ほか
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